穏やかな昼下がり
コンコン
キィ
「ん?」
お迎えが来たようだ
短い生涯に黙祷......
「こ、こんにちはぁ」
「え?」
予想外の来客だ
「あの怖そうなひとは?」
「え、えっとぉ......今は買い物に行っててぇ...」
「はぁ、でどうされました?」
「あ、そ、そでれすね!!わ、わたしはニアというものでしていて」
「わかったわかった。ニアね、落ち着いてくれ、俺は何もできないから、落ち着いて」
「...はい。どうもです。それでですね、あなたはなぜ危険を冒してまでわたしの元まできてくれたのでしょうか。不思議と悪意も感じられなくて!あ、えっと...かも、ですけど」
若干早口だった、会話に慣れていないのだろう
「うーん、信じてもらえないだろうけどわからないんだ」
「ぇ...?」
「体が勝手にとか、理由がないとかじゃないんだ。実際、見捨てようとも思った」
「で、でも」
「うん。君を一目見たら助けたくなったんだ。運命とか一目ぼれって言いたいんじゃなくて、えっと...」
「し、信じられません...」
「いや、そりゃそうだよね。俺も勘だけで動く人間だと思わなかった」
「い、いやそうではなくて...」
「そうだ。君と話たかったのかも知れない、可愛かったし。君とね。」
「...」
「?」
「うそはすごく嫌いです。」
「うそじゃない」
「あ、あはは...うそがお下手なんですね」
「いやだから
「いま拘束を解くので逃げてください。モガミが帰ってくる前に」
フッと腕が自由になる
手の感触がよみがえり血の流れを感じる
そして、光が差した。
「かわいいなぁ。」
自然と出た言葉だった
カァ///
「お、赤くなった。」
ボンッ!!!
爆発してしまった。かたまってしまい、そのまま後方に倒れる。
(指摘しないほうが良かったな)
キィ
開かれたドアから悲鳴に似た音が部屋をかき鳴らす
「ん?」
「ニア!?」
穏やかな昼下がりだった。