異世界勇者は街を見つける、あと再会する
よろしくお願いいたします!
あの人間たちと別れてから数十分ほど勘の赴くままに歩き続けたところ、ようやく人里、というか街らしきものが見えてきた。
辺りは壁に囲まれている。
いわゆる城砦都市というところだろうか。
少し視線をずらすと、人が集まっている場所が見えた。
あそこから入るのだろうか。
よし行くか。
向かっていると、勘が騒ぐ。
何かめんどくさい人物がいるようだ。
もしかして。
「あ」
「あ」
さっきの女騎士ご一行だった。
隊長と目が合ってしまう。
「んじゃ!」
「あいや待たれい!」
なぜか時代劇口調で引き止めてきた。
というか抱きついてきた。
俺はそれを。
受け流す。
あっ、地面に突っ込んだ。
形の良いお尻がぷりんと強調される。
スカートだったら、中が見えたんだけどな。
「い、痛い……」
さすがに申し訳なくなり、声を掛けることにした。
「すまん、じゃなくて、すいません。大丈夫ですか?」
俺の声を聞いた女騎士がこちらに振り返る。
涙目になっていた。
「な、なんで無視するんだ?」
俺は後ろを振り向いた。
「あ、あなたに聞いているんだ!」
やっぱり俺に聞いてきてたよな。
「えー……めんどくさ、じゃなかった。あなたたちが怖くて」
「めんどくさいって言いかけたな、今?!」
「めんどくさかったからです」
「わざわざ言い直さなくてもいいわ?!」
「めんどくさいなー、やっぱり」
「そこまで言い切らなくても?!」
「んじゃ!」
「あいや待たれい!」
抱き付かれた。
……。
鎧を脱いでいたのか。
そのままドナドナされていってしまった。
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