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異世界勇者は遭遇する
よろしくお願いいたします!
それからまた数時間。
あの妙な果物を摘まみながら、勘の赴くままに歩き続けた。
何時間も動いたっていうのに、全く身体が痛くなってないのは、この妙な果物のおかげなんだろうな。
勿体ないから一粒ずつ食べよう。
そんなことを思いながら歩いていると。
勘が騒ぎ出す。
どうやらトラブルがあったみたいだ。
俺でも対処できそうか。
大丈夫らしい。
よし。
勘の示す方へ行くか。
数分歩く。
その時だった。
「ーーーーーっ?!ーーーーーっ?!」
「ブオオ」
剣戟の音。
人間の声。
モンスターの鳴き声。
魔法が炸裂する音。
そして。
生臭く、むせかえるほどの血の臭い。
落ち着け。
勘も言っている。
この世界では当たり前の光景。
これに慣れることが出来なければ、いつかああなるのは自分だ。
心を決めろ。
俺だったらあれに対応できると、勘も言っているんだ。
行くぞっ。
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