表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
身分を超えた冒険  作者: momonga
9/40

対決

街は仮面男の話しで持ちきりになった。

仮面男の噂はヒーローのように言われる時もあれば残酷極まりない極悪人のように言われる時もあった。


どちらが本当なのか、そもそも何を目的としているのか誰にもわからなかった。


仮面男と初めて会った翌日の朝、いつものように会議があってロダンは隊長に呼ばれて話しをした。


「ロダン、仮面男なんてあまり信じるなよ。あれは噂だ」


「わかっています。」

ロダンは冷静に応えた


けれど、人々が大変仮面男のことを騒ぐので隊長も早く正体を暴き街を安心させたいと考えていた。


隊長は言った。

「なるべく事態が大きくならないように我々も手を尽くさなければな。」


「はい。」

ロダンは落ち着いて返事をした。





その日の晩ロダンは警備のため隊長と共に街を歩き、帰りが遅くなってしまった。


ロダンはふと上を見ると満月の夜だった。


明るく照らしている月が徐々に雲で隠れ始め暗くなってきた時、屋根の端にロダンは動く影を見た。


屋根の上で影が立ち上がった。


ロダンはそれが紛れもなく仮面男だと確信した。


雲が過ぎ満月が現れると今度ははっきりと仮面男が現れた。


ロダンは今度は逃がさないぞ、と思いすぐに屋根の上に登った。


仮面男はとても身軽で屋根の上で宙返りをした。


月の光に照らされて2人の影が屋根の上を走った。街は寝静まっていて静かだった。


ロダンは屋根の上だと自分の動きが取りづらいので何とか下に降ろそうと考えた。


ロダンは突然立ち止まると仮面男に向かって叫んだ。


「おい!逃げるだけか!?」


仮面男は向きを変えると軽々ステップを踏むように動きながらこちらの様子を伺った。


よし、こっちに気が向いたな..そう思ったロダンはまた叫んだ。


「今日こそ姿を暴いてやる!」


その言葉が気にくわなかったのか仮面男は向かってやってきた。


ロダンは先に下へ降りようとすると仮面男が近くまで来た。


とても素早い動きだった。


間一髪、仮面男の攻撃が外れ木の柱にヒビが入った。

ロダンは飛び降り地面に着く直前で体を丸めて一回転した。少しでも着地のダメージを減らしたのだ。


その後をすぐ仮面男がついてきた。


ロダンは相手に回し蹴りをお見舞いした。すると仮面男はロダンの蹴りをくらって横の民家にすっ飛んで倒れ置いてあった物に当たった。


やったぞ!とロダンは思って近くに寄ると


仮面男は暗がりから現れロダンを蹴散らした。


見ると破れた仮面の下から右の目だけあらわになった!それは月夜に照らされて金色の目だった。


一瞬だけ目が合うと急いで仮面男は屋根の上に上がってしまった。


屋根の上に上がるやいなや仮面男は右腕をかばった。


どうやらロダンの一撃が効いたようだ。


逃すかとばかりにロダンも屋根に駆け上がろうとすると仮面男はひらりと戻ってきて、ロダンを屋根から蹴り落とした。


落とされたロダンは民家の庭に落ちて木を折ってしまった。


その衝撃で先ほど隊長と仕掛けた警報機が鳴った。


その間に仮面男はひらりと身をかわしていなくなってしまった。


残されたロダンは折れた木の上に倒れたまま前よりも手ごたえを感じた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ