城の警備
何日か日が経って隊長は朝のいつもの会議の後でロダンを呼び止めると明日城の警備にあたるように命じた。
城では式典が開かれることになっている。
警備の担当が一人都合が悪くなり代わりに新人のロダンを隊長が指名したのだ。
「私も同行するから問題ないだろう。街のことはだんだんわかってきただろう。城は城でいろいろ勉強になるぞ」
隊長はロダンに言った。
城に向かうのはロダンにとって二度目となる。
一番最初に城に行った時は王妃に勲章を授かった時だ。
隊長は近頃広まっている噂のために警備を強化する予定のようだ。
噂とは仮面をした正体不明の男がこのところ事件を起こしていると人々の間で話題になっていて、まだ犯人が捕まっていないので大きな騒ぎになっていた。
当日になってロダンは煌びやかな装飾品に飾られた城の中を初めて見た。
これから続々と華やかな衣装に身を包んだ王族達がやってくるに違いない。
式典が始まる前に城の内外で厳しい警備が行なわれた。
ここでもあの噂が飛び交った。
なにやら仮面男から予告がきたそうよ。とか
城で一番高額な物を盗むらしい..などだ。
隊長はそんな中冷静にロダンに告げた。
「どんな噂も信憑性に乏しい。
我々がいる以上、奴も現れた日にはお役御免だな。」
パーティーが始まると広い会場で色とりどりのドレスを着た女の人たちが曲に合わせて男の人たちと手を取りあって優雅に踊り出した。
ロダンはそんな中隊長に西側の塔の警備にあたるよう指示された。
隊長に指示された通りロダンは向かった。