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授与式
王妃は口早に言った。
「はやく、新しい護衛をここに。」
ロダンは陛下の前へ通された。
隊長と共にロダンは陛下の前でひざまずいた。
「..ほぅ。そなたがそうか、ずいぶんとまだ若いな。」
「ロダンと申します、陛下。」隊長は目を伏せて言った。
「噂は聞いている、よくぞ隊長と共に戻られた。
まずはゆっくり休まれよ。」
ロダンの胸には王妃に授与されたばかりの勲章が輝いている。隊長もまた同じに胸には勲章が輝いていた。
王室の長い廊下を2人で渡っている時、隊長は足を止めロダンに礼を言った。
「どうやらおかげで助かったみたいだ、ロダン礼を言うぞ。この国の運命を陛下と共に背負っているという自覚を持ってこれからは何事も取り組みなさい。」
ーはい、隊長。
隊長は新しく迎え入れた若い新人に期待を込めて語った。が、すぐにその真剣な表情が優しくなった。
「とはいえまずはこの国を知らないとな。」
その日街は一日中パレードなどでお祭り騒ぎだった。長く続いていた国境を守る戦争から無事に帰還した兵士を祝うお祭りだ。