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真実
隊長はこのことを知っているのだろうか。
ロダンは思った。
しばらくすると一団は大きな荷馬車に沢山椅子やらテーブルなどの家具を詰めて行ってしまった。
無理やり家具を持っていかれた家の若い女性が道に泣き崩れながら馬車が去って行くのを見ていた。
こんなにひどく苦しんでいる人々が国の影にいたことをロダンは気付かされた。
公爵はこのことを見せたかったのか..。
今まで一人で公爵は街の人々を助けるためにここへ来ていたというのか..?
ロダンはあることを思い出した。
そういえば公爵は外套を着て人々に荷物を渡すようにと言っていた。
これでわけがわかったロダンは急いで船へ戻った。
船へ戻ったロダンは慌てて公爵の外套を探した。確かに来る時はあったはずなのに、..おそらく座礁した時に海に投げ出されて流されてしまったようだった。
すると船の下の方に転がっている物に一瞬目が止まった。
ロダンはそれを拾いあげると仮面男の仮面だった。
これでなんとかなるかもしれない..!




