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新人護衛官
サムの奥さんに写真を渡しに行くと奥さんは涙を流しながらお礼を言ってロダンを抱きしめた。まだ世の混乱が続き大変な生活の中でもサムの奥さんは餞別にとロダンに残りの銀貨を渡してくれた。
ロダンは小さな町の護衛官に就くことになっていたが程なくして城に呼ばれ都市へ出向くことになった。
呼んでくれたのはガロ隊長だ。これからはガロ隊長の下で動くことになる。
ほう、立派な城の護衛兵がやってきたもんだ。
ロダンは国の新しい護衛官の制服を着て歩いていると見知らぬ街のおじさんが声をかけてきた。
おじさんは若い新人の護衛官に興味津々に、しかし少し皮肉の混ざった言い方をした。若い頃は憧れだったに違いない。
ロダンは軽く会釈して立ち去った。