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挫折
波が穏やかに蛇行してだんだん辺りが暗くなってきた。
ロダンは小雨に降られてやっと眠りから覚めた。
自分が今どこにいるのかも正確にわからなかった。
なんてことだ!こんな天気なのに今まで気がつかないなんて..
しだいに雨が強く降りだした。
風が強さを増して船は横に倒れそうになった。
ロダンは急いで船の帆を閉じようとした。
雨の降り方がますますひどくなった。雲が真っ暗になっていた。
ロダンは帆を閉じた後、船の中に入って縄を取りだし船から投げだされないように自分と船の柱をくくりつけた。
いつの間にか高くなった波の上を滑るように船は進んだ。
悪天候でこうなってしまっては正直いつ船が沈んでもおかしくなかった。
次第に雷まで鳴り出した。
ついに運に見放されたか..。
ロダンは荒れる波の中でにわかに死を覚悟した。
まだまだやるべきことがたくさんあったのに、..無念だ。
船はもはや真っ暗の中を進んだ。




