対決した翌日の朝
隊長とロダンは城に出向いた。途中、ロダンは晩にあったことを隊長に話した。
仕掛けた警報機が鳴りその後隊長も駆けつけたが仮面男はとっくに逃げてしまっていたのだ。
隊長はロダンに忠告した。
「私が話したことを覚えているか?ロダン。
あれは噂話だからいちいち間に受けてはどうしようもないぞ。」
「しかし、本当です。仮面男の右目を見ました。」ロダンは言った。
隊長はそんなロダンをたしなめた。
「昨日までの落ち着きはどこへ行ったんだ?」
城に着くと2人は公爵の前に通された。
公爵は興味津々に2人を出迎え、部屋に入るとさっそく質問した。
「昨日例の仮面男に会ったとか?」
やや興奮しているロダンには話をさせずに隊長が応えた。
「噂話が広がっていて本物である証拠がありません。何卒、軽くお受けとめください。」
「そちらが、手を合わせたそうじゃないか。」
公爵はひざまづいたロダンに目をやった。
ロダンが公爵の目を見た時、電撃が体を走った。
昨日の夜同じ目を見たような..
じっと見つめたままのロダンに思わず隊長が割って入った。
「入ったばかりの新人です。まともな街の名前すらまだ言えません。気になさらないでください。」
隊長の言葉で我に返るとロダンはすぐに目を伏せた。
目は伏せたがロダンは見逃さなかった。
公爵は右腕をかばっている。
最後に公爵は2人に言った。
「何かと物騒な街で身を切って行動してくれる2人の健闘を心より祈っているぞ。」
公爵の部屋を出た後、ロダンが隊長に怒られたのは言うまでもない。
しかし、ロダンは公爵が犯人だと強い確信を持った。




