尋問
少女の右手は、恵一の右手によって掴まれ押さえられている。
だが、恵一の左手は少女の首を押さえるのに使われており、少女の左手はやや不自由ではあるものの拘束はされていない。
少女の左手が、剣から離れ、腰に行く。
密着した恵一からはよく見えないが、何か左手を動かしているのはわかった。
「ちょっと、話を聞いてくれないかな」
恵一の声が耳に届いているとは思えなかったが、一応声をかける。
で、案の定聞いちゃいない少女は、左手でゴソゴソやっている。
「いや、ちょっと、ホント話を」
そこまで言って恵一が硬直する。
まただ。
また、世界が変わった。
ということは、誰かが自分に殺気を伴った行動を起こしているということ。
考えられるのは、この少女以外におらず、右手を封じられている彼女にできることは限られている。
左手――
消去法でそれしかない答えに行き着いた恵一は、少し身を後ろに引いて少女の左手を見た。
短剣が握られており、それが恵一の脇腹目掛けて一直線である。
「ちょ!」
あんなもんで刺されてえぐられたらたまらんので、恵一は彼女を突き飛ばして距離を取った。
ついつい驚いてそうしてしまったが、本来の目的のためには距離を取らずに密着状態は維持しつつ、左手を押さえてしまうべきだった。
ということに気付いたのは、少女が完全に離れてしまってからである。
「ちっ、駄目だったか」
舌打ちしながら言うと、少女はなんの迷いもなく短剣を自分に向けた。
「一人も道連れにできなかったけど、お前らになぶられるぐらいなら」
「いやいや! ちょっと待って!」
恵一は、自分でも褒めたくなる素早さで前に出て、少女の左手首を掴んだ。
「放せ!」
「いや、ホント! 話を聞いてくれ!」
「じゃっかし!」
少女は恵一の股間を蹴り上げてくる。それをかわすのに気を取られているうちに、短剣は左手から右手に移っていた。
やはりなんの躊躇いもなくそれを自分に向ける。
第一印象では、顔の傷以外はごくごく普通のなんの迫力もない女の子にしか思えなかったが、この自らの命への軽過ぎる扱いは尋常ではない。
止めようと手を伸ばして、激痛が走る。
「っが!」
短剣を持った手を掴もうとした恵一の右腕だ。少女が短剣を突き刺してきたのだ。
殺気は無い。
あくまでも、自害を邪魔する恵一を牽制するためであり、そのためにあの力は発動しなかったようだ。
突然の激痛と、なによりも腕に刃物が入ってくる異様な感触に怖気をふるったものの、恵一は咄嗟に左手で少女の右手首を叩いた。
「あっ!」
短剣から手を放し、その隙に右腕を引かれてしまい、少女は叫んだ。
さあ、これで観念して話を――
と思った恵一が甘かった。
少女が忘我したのは数瞬に過ぎず、すぐに地を蹴って走り、街道脇の木を目掛けて飛んだ。
我が頭を、木の幹にぶつけて割ろうというのだ。
「待ちな」
恵一が間に合わぬと思ったその時、飛び上がった少女の足を掴んで地に引きずり下ろしたのはガルスだった。
「ちっくしょう! 邪魔すんな!」
「話を聞け。我々は盗賊ではない」
「え?」
「むしろその逆と言っていい」
「なんだって?」
鮮やかなガルスの手際に、恵一は感嘆した。
まあ、別に鮮やかというほどでもなく、恵一の手際が悪過ぎただけである。話を聞く気の無い人間に対して話を聞いてくれと馬鹿の一つ覚えで連呼して、相手が話を聞こうとする姿勢になるのを待つという無駄なことをしていたのだ。
ガルスのように、相手の姿勢がどうであろうと、その思い込みとは違う事実を告げてやれば意表を衝かれて相手も聞こうとするのだ。
見れば、男の方も数人に取り押さえられていた。
「やれやれ、これで……」
とりあえず、大丈夫だろう。
「ケーイチ!」
しかし、少女たちは大丈夫だが、恵一が大丈夫ではなかった。
「裏切ったな!」
アンが、怒りの形相も凄まじく、どす黒い矢尻を向けていたからである。
「え? いやいや、アン……」
何を言ってるんだ、と続けようとして思い当った。さっきの少女を庇ってアンの放った矢を掴んで捨てた行動が、アンから見ると裏切りに見えたのだろう。
「いや、違う違う、違うんですよ」
アンの放つ矢など防げるだろうと思わないでもないのだが、思い切り至近距離であり、さらにはあの例の毒である。かすり傷でもひどいことになりかねない。
「まあ、待て待て、アン」
幸い、ケイトがすぐに止めてくれた。
「あいつら、極悪盗賊団じゃねえよ」
ケイトは完全に拍子抜けしている。
ケイトだけでなく、他のみんなも、緊張感の無い顔をしている。
人数の少なさなどから、どうやら全く目当てとは違うのを釣り上げてしまったのだと理解しているのだ。
「なんだ、子供殺したりしないのか」
アンも、ようやく拍子抜けした顔になる。
「うん、まあ、盗賊は盗賊だけど、そういうことはしてないと思うぜ」
罠にかかったぞ、それ急げと駆け付けたのにこんなことになってしまって、誰もが気が抜けているようだ。
こんなんで大丈夫なのか、もう今日は止めにした方がいいのでは、と恵一は思ったのだが、ガルスは妙に嬉しそうにしているのが気になった。
「アマモトさん」
「ああ、エリス」
「右手、治療しますよ」
「へ?」
言われて気付けば、右手に短剣が刺さったままである。
「い、痛え!」
アンに毒矢を向けられてすっかり忘れていたが、痛いのである。
「はい、座ってください」
エリスに促されて、その場に腰を下ろして、短剣を恐る恐る抜こうとして、怖くてできない。
抜かんといかんのはわかっているが、なんか抜く時に痛そうじゃん。
「なにやってんだ。ほら、抜くぞ」
ケイトが、心の準備期間を寸刻も与えずに、引き抜いた。
「いっ!」
「大袈裟だなあ。ほーら、痛くない痛くない」
ニヤニヤ笑いながら子供をあやすように傷口の周辺をぺしぺし叩く。痛えよ。
「それでは」
エリスもそばに屈んで、手を傷口にかざす。
まず、痛みが徐々にやわらいでいき、傷口が塞がっていった。
「私の力ではとりあえずこのぐらいです。どうですか?」
「いや、だいぶよくなったよ」
傷のあった場所を強く押すと痛みがあるが、特に何もしなければ痛みらしい痛みはもう感じない。
あの子たちはどうなったかな、と思い、行ってみると、少女も男も縛られている。
「よし、少し移動するぞ」
「ああ、はい」
ここは、もろに街道沿いであり、四十人もたむろしてると当然目立つ。
街道から少し離れた場所に移動し、そこで休憩せよとのガルスの指令が下り、各自好きにくつろぎ始めた。
「あの、ガルスさん。どうしましょう、休憩したらまた囮作戦ですか?」
恵一としては、少女たちの処遇などは気になりつつも、自分がこれからどうするのかも気になる。
「いや、囮はとりあえず止めだ。ちょっとアテがある」
アテと言いながら、ガルスは少女たちを見た。
それから、ガルスにあの少女たちのことを聞かれた。覚えている限り、どんな態度でどんなことを言っていたのか。
恵一は、思い出すままに一部始終を話す。
「どうも、かなり悪質ではないみたいなんですけど、罪はどのぐらいになるんでしょう」
目当てと違えど、盗賊には違いないのだから、このまま官憲に引き渡すことになるだろう。
「まあ、兄ちゃんがその辺を証言してやれば、そうそう重い罪にはならんだろう」
「そうですか」
ほっとする。証言などはいくらでもしてやる。
「それと、これからの行動次第で、かなり罪が軽くなるかもしれん」
「え?」
「まあ、見てろ」
ガルスが、少女たちに近付いていくので、恵一も後に続いた。
「おう」
思っていたよりも、さっぱりとした顔で少女は恵一を迎えた。既にガルスの方からこの集団がどういうものかは教えているので、自分たちが盗賊として逮捕されたことはわかっているはずなのだが、悔しがったり嘆いたりしている様子は無い。
「まさか、お前らが討伐隊だったとはな、すっかり勘違いしてしまったよ」
笑いながら言った。ちょっと、屈託無さ過ぎに見える。
「まあ、華々しく討死も、堂々と自害もできなかったが……」
遠い目をしながら、独語する。
「断頭台にかかるのも、盗賊として悪い死に方じゃあない」
また、笑った。
その意味するところは死なのだが、彼女は、確かに笑っていた。
その笑顔が眩しいぐらいに輝いて見えたので、少しだけ言うのを躊躇ったのだが、言っておかねばならぬと恵一は思った。
「いや、君たちは……」
そんな悪質じゃないから、たぶん死刑にはならないよ、と言おうとしたところ少女が無視して被せるように尋ねてきた。
「処刑の場所は、街の広場かなにかなんだろうな。人は、たくさん集まるかな」
目がキラキラしている、というのはこういうのを言うのか、と思うぐらいに明るい目である。
「見物の連中は、さぞや私らを罵るだろうな、盗賊め極悪人め、と。でも、そんなものに私はビビらないわよ、堂々と断頭台に首を預けてね」
なんか、恍惚とした表情で、断頭台で首刎ねられるイメージトレーニングらしき境地に入りつつある少女を、恵一は慌てて呼び戻した。
「ん、なによ」
せっかくの楽しい想像を邪魔されて、少女は不満そうだ。
「いや、君たち、そんな悪質じゃないから、死刑にはならないと思うよ」
だから、安心していいよ、と続けようとした言葉は引っ込めた。どうしても、ああそれなら安心だと喜ぶとも思えなかったからである。
「ああーん!?」
果たして――
「なんでよ! 私ら盗賊は捕まったら首を刎ねられるんだ。それでも散々悪いことしたんだから見苦しく騒ぐな、堂々と殺されろ!」
少女は、怒った。
「父さんが、そう言ってたわ!」
睨んでくる。そんな睨まれても恵一としては困るのだが。
「あー、まあまあ、ちょっと話を聞かしてもらおうか」
助けるようにガルスが話に入ってきた。どうしたものかと困っていた恵一はこれ幸いとガルスに場所を譲る。
「とりあえず、名前だ」
「なによ? 尋問?」
「そうだ。神妙に答えろ」
「今更ジタバタしないわよ。私は――」
少女は、名をリーンと言った。男の方はグールト。
先程、父親に盗賊の心構えめいたものを教えられたようなことを言っていたのでそうなのだろうと思っていたが、やはり父が盗賊でリーンもそのまま盗賊になってしまったらしい。
物心ついた頃には盗賊だったという。
父は、盗賊団を率いており、人数は十人前後であった。
なんで盗賊なんてやっているのか――という疑問を抱きもしなかったリーンはそれを父に問うたことが無いので、理由は知らぬ。
ただ、父は一度だけ、自分ももしかしたらもっとまともに生きられたのかもしれない、と言っていたので、自身でもその生き方を手放しでよしとしていたわけではないようだ。
「これ以外に生きられんから盗賊をするが、これは悪いことなのだから捕まったら殺される。その時は見苦しく騒ぐな」
それを、口癖のように配下に言っていて、リーンもそれを聞いて育った。
仕事のやり方は、あまり悪質ではない。抵抗しない人間は殺さないし、子供に手を出すのも厳禁、根こそぎ奪わずに、幾ばくかは残してやる。
要するに、リーンは、父のやり方を忠実に受け継いでいるということだ。
奴隷商人などは嫌っており、その場合は殺して1ゴールド残らずいただく。
グールトは、奴隷商人の商品であったのを解放しようとしたところ、家族は一人残らず死んで行く所も無いというので盗賊団に入ったということだ。
そんな感じで仕事をしていたが、一年ぐらい前に別の盗賊団がやってきた。
彼らは、同じ世間をはばかる身であるから、お互いの縄張りを決めてそれを侵し合わぬようにして仲良くやろう、と持ちかけてきた。
リーンの父は、最初は彼らを自分と同じ境遇で止むなく盗賊稼業をやっているのだと思っていたのだが、どうも違うというのがわかってきた。
盗賊になったのは、その方が手っ取り早く稼げるからであり、それに加えて嗜虐趣味を満足させてくれるからである、という手合いが集まっていた。
そのことを苦々しく思いつつも、決定的に敵対するような行動は躊躇っていた父だったが、自分たちが襲ったもののろくに金を持っていないので何も取らずに解放した貧しい家族が連中の餌食になって、赤ん坊まで殺されたことを知って激怒。
すぐに行って、前から思っていた不満もまとめてぶつけた。
とは言っても、別の団であるから、まったく自分たちと同じやり方をしろとまでは言えない。
それでも、せめて子供を殺すのは止めろと恫喝した。
それに対して、連中は指図するんじゃねえと激怒――はしなかった。
「うーん、まあ、あんたにそう言われちゃしょうがねえ。子供には手を出さないようにするよ」
と、愛想笑いをした。
極悪そうな、ていうか間違いなく極悪な連中なのに随分と物分かりがいいなと恵一は不思議に思って、そう口を挟むと、
「まあ、父さんは強かったからね」
ふふーん、とリーンがそっくり返って自慢した。
グールトの話も聞くと、決して娘の贔屓目ではなく、彼女の父は強かったらしい。グールトたち団の配下はもちろん、あちらの団の腕利きよりも明らかに強かった。
以前にイリアが言っていた。
レベルが高い者は、なんだかんだでまっとうに生計を立てられるので盗賊などに身を落とす者はそんなにいない、と。
おそらく、リーンの父はなんらかの理由で、高レベルでありながら盗賊にならざるを得なかった例外だったのだろう。
それからしばらくしてリーンの父は突如体調を崩してしまった。
それまで頑健そのものだったのに、本当に突然だった。
父が伏せっている時に、あちらの団が見舞いと称してやってきた。
その時に、リーンは薬草を探して父の元から離れていたのだが、いざ幾つかの薬草を採取して戻ろうとしたところ、前方から物凄い形相で走ってくるグールトに出くわした。
「逃げましょう!」
彼は、開口一番に言った。
奴隷商人から解放してもらって以来、父に感謝し忠実に仕えていたグールトはその時も枕頭に控えていたのだが、用事を言いつけられて離れた。
その離れている間に、リーンの父は死んだ。
それを聞いて、グールトはもちろん大きなショックを受けて悄然とした。
「お嬢さんがいないみたいだが……」
と、それを知らせに来た団の仲間が言った。お嬢さん、というのはリーンのことだ。
リーンは薬草を採りに行っていると言うと、すぐに知らせて連れてこないといけないと言って、そのために人を呼び始めた。
「お、おれ、先に探しに行ってるよ」
グールトはそう言って先行した。
朴訥そのものの顔で、要領もよいとは言えないグールトは団の中ではどうしても一段低く見られがちであった。
しかし、彼はそれほどに鈍重ではない。
いや、鈍重かそうでないかと言えば、まあ鈍重であると言われてもしょうがないのだけれども、この時は恩人の死による張り詰めた神経が、何かを告げていた。
あの強く頑健だったお頭が、突然伏せったことからして不可解であった。
毒を盛られたんだ――
直感的に思った。
あいつらが、毒を盛ったんだ。自分たちのやり方に文句をつけてくるお頭を煙たがり、かといってまともに戦ってはとても勝てぬのでそういう手段に出たのだ。
もやもやと輪郭の定まらぬ疑念があった。
あいつらの仕業だ、と確信しつつ、なんだか引っかかるものがある。
リーンを探しながら考え続け、そして彼女の姿を遠くに認めて声をかけた時に、不意にそれがわかった。
お頭は強い人だった。さすがに毒を盛られて弱ったところを大勢に襲われてはどうしようもなかったようだが、そもそもそうそう簡単に毒など飲むだろうか。
強力な毒ならば、口に入れてもすぐにわかるから、吐き出せる。
あの弱り方からしても、弱い毒を時間をかけて少しずつ飲まされた可能性が高いのではないか。
そんなことができるのは、常にそばにいる人間だ。
主犯は、奴らだ。それは間違いない。
だが、おそらく――いや絶対に、こちらの団の誰かが裏切って通じたのだ。それならばそういう毒の盛り方ができる。
「逃げましょう!」
リーンに近付く間に、それらの考えがまとまり、走りながら叫んでいた。
リーンは、当然ながらわけがわからないようだったが、一度だけ説明を求めたものの、グールトが説明は後です、と言うと頷いて彼とともに逃げた。
以後、リーンとグールトはたった二人の盗賊団になったというわけだ。
あちらの盗賊団のことは少しずつ調べたが、あれから二人以外の連中は、あちらに移ってしまい、今やあちらの流儀――すなわちリーンの父ならば絶対に許さなかったやり方で稼業を続けていることがわかった。
グールトの話を聞き、彼の推測が正しいと思ったリーンにとっては父の仇であり、その上に父の嫌うやり方を続ける連中は、許容できるものではない。
しかし、たった二人である。
父の手ほどきを受け、また素質も受け継いでいたのか、リーンは剣の腕にはそこそこ自信があったが、むろん父ほどではなく、一人で奴らを相手できるものではない。
グールトも、忠実で死をも恐れぬ頼りになる部下であったが、正直それほど強いわけではない。
いつかやってやる、と思いつつも、見つかったら殺される――その前にリーンは慰み者にされるだろう――ので、遠く離れたところからその暴虐ぶりを見つつ歯ぎしりしていたのだ。
それゆえに、討伐隊に囲まれた時には、てっきりこれは自分たちを誘う奴らの罠だったのかと思い込み、即斬り死にの覚悟を決めたというわけだ。
「大体話したわ、尋問はもういいでしょ」
「ん、ああ、そうだな」
興味深そうに話を聞いていたガルスは頷いた。
「今度はこっちの番よ。なんで私らは死刑にならない」
そう言われたガルスが、恵一を困った顔で見てくるが、そんなんされたら恵一も全く同じ顔で応じるしかない。
「父さんは、盗賊は捕まったら殺されるって言ってたわよ」
どうも、リーンは父の教えを少し――いやかなりズレて受け取っており、堂々と死刑されることをまるで盗賊の晴れ舞台のように思っている節がある。
「まあ、確かに盗賊は誰も彼も死刑、っていう時代もあったみたいだけどな」
だが、最近はそうではない。むしろそれほど悪どくないのは死刑にはならない傾向が強い。
盗賊団の方がそれを見越して、獲物に手心を加えるケースもある。極めて打算的であるが、その打算へ誘導するように国がしているところがある、ということは既に述べた通りである。
「あー、お前らそんなに死にたいかあ」
ガルスが苦笑しながら言う。
「それだと、この話は、あんまりおいしくないかなあ」
「あ? なによ。話って」
「……盗賊団の討伐に協力してもらいたい」
ぐっと屈み、リーンと目を合わせて、ガルスは言った。




