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ひとつめの願い

「ようやく帰ってきたな」

俺は1ヶ月半ぶりにレヴァナントに帰ってきた。思えば1ヶ月半前、敵の爆撃を受けて地上界に落ちて変な女に助けてもらって、挙句の果て変な約束しちまうわ大変だったな。

「おっと総大将に帰還したことを伝えに行かなきゃな。」1ヶ月半も帰らなかった理由をなんて話せばいいんだか・・・重い足取りでアイシスは総大将のもとへ向かうのであった。


「なんだ死んでなかったのか、残念。」

「なんだハイゼンお前こそ死んでなかったのか、残念。」この憎まれ口を叩くゲス野郎は我がレヴァナント王国軍で最強と謳われし1番隊隊長のハイゼンだ。ちなみ俺は最強だとはまったく思っていない。俺のことがよっぽど嫌いらしく殺されかけたこともある。ちなみに俺もこいつのことは大嫌いなのは言うまでもない。

「いやぁあれしきの攻撃でやられるとは3番隊も落ちたもんだね。隊長が雑魚だから仕方ないか。」

時間の無駄だから相手にしないで行くことにする。

「ちょっシカトこいてんじゃねぇぞ!!」とハイゼンは叫ぶのであった。

「と叫ぶのであった。でおわらせるんじゃねぇーーー!!!」






そのころ地上界でクレアは・・・


「・・・うんわかった!・・・うん。・・・うん!了解!じゃぁまたあとでね!」電話がかかってきた。電話の相手はあたしの友人からだった。要件は隣街までお遣いに行ってほしいとのことだった。自分で行けばいいんじゃない?とは思ったけど・・・

「いいとは言ったものの・・・レイディアン森林を抜けなきゃいけないし・・・」レイディアン森林はとても広い森だ。一度迷ってしまったら抜け出せない。しかも森には魔物が生息してるというサイテーな森林である。

「う~ん、、、困ったなぁ・・・あっそうだ!これを使えばいいんだ!!」あたしが思い出したのはアイシスがあたしとした約束だった。

「困ったら呼べって言ってたよね!このクリスタルに魔力を込めればいいんだっけな?」あたしはアイシスが言った通りにクリスタルに魔力を込めてみた。



「はぁなんとかうまいこといい訳できたな。帰って寝よ。」とその時だった。クリスタルが光始めた。

「ん?クリスタルが光ってる。クレアとかいったっけな?あいつなんか困ってんのか?」ったく本当にめんどくさい約束をしたもんだ。あほらしくて笑いがでた。しかし約束を守る性分なのでクレアのとこへ行くことにした。

「お前どこ行くんだ?」ハイゼンが訪ねてきた。

「ちょっと地上界まで行ってくるだけだよ。」クレアとの約束のために行くなんて口が裂けても言えるわけない。

「何しにいくんだ?戦争は一時休戦だ。なぜ地上に行く必要がある?」

「お前には関係ないだろ?」嫌いな奴とは関わらないほうがいいだろう。ハイゼンを無視して俺は地上へと向かった。


地上に向かったアイシスをハイゼンは黙って見送った。

「スティール来い。」ハイゼンは言う。

「はい。隊長参りました。」スティールはやってきた。スティールとは1番隊の副隊長でハイゼンの右腕的人物である。

「スティール、アイシスを監視しに行って来い。」

「アイシス隊長がどうかしたんですか?」

「あいつ何か隠している。場合によっては斬らなければならないからな。まぁ俺としてはその方がいいがな。」冷たく言い放った。

「わかりました。うまいこと探ってきます。それとひとつ確認したいことがあるのですが・・・」

「なんだ?」

「隊長はなぜアイシス隊長とあれほどまでに仲が悪いんでしょうか?」

「そんなに気になるのか?」

「はい」

「あいつはな・・・あいつはな!!あいつは昔・・・俺が当時やっていたRPGゲームのラストシーンをばらしやがったんだ!!」

「・・・・・・・・・・それだけ?」

「それだけだと!?何を馬鹿なことを言っている!!そのゲームはとっても人気で朝から長蛇の列に並んで10時間かけてやっと買えたゲームなんだぞ!!」

「・・・・・・」

「それなのにあいつは知り合いがそのゲーム会社の人で発売の1週間前に手に入れてたんだぞ!!一週間前とかチートだぞ!!ふざけんなってんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!それで俺の怒りは爆発し奴を殺しにかかった!!その時は殺し損ねた・・・その日以来、俺はあいつが大嫌いになった。」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・どうした?」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」




アイシスは地上界へと降り立った。

「クレアの家はこの辺だったけな。おっとあれか。」なんだか女の子の家に行ってノックをするのは変に緊張するもんだな。ノックしてみた。ドアが開く。

「あっ!本当に来てくれたんだ!?なんか嬉しい!!」

「んで、さっそくだが要件は何だ?」

「お願いはね・・・えへへ~」なんだ気持ち悪い奴だな。

「実は、お遣いに付き合ってほしいの!」

「なんだお遣いか!まかせろ!・・・・・・・えっお遣いっ!?!?!?」

「うん!!」


思えば俺の人生の歯車はこのあたりでおかしくなってしまったんだろうな。



















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