プロローグ
この戦いに終わりなんてない・・・
空中都市レヴァナント・・・かつてこの国では高度な文明と魔法を主体にして繁栄し栄えてきた。
空中都市た言われるのはその名の通り空高くに浮かんでいる街だからだ。
レヴァナントに住んでいる人々には普通の人間と違ってひとつだけ大きな特徴がある。
レヴァナントの人たちの背中には烙印がある。その烙印に魔力を込めることによって翼が生えるのだ。その翼で自由に空を飛ぶことができる。言うならば鳥人とでも言ったところか。その翼以外は普通の人間となんら変わりはない。
しかし、この特徴がきっかけである問題が起きてしまった。
差別だ。
250年前・・・まだレヴァナントの人々が地上界で生活していたころの話である。
レヴァナントの人々は人里離れた小さな集落でひっそりと穏やかで平穏な日々を過ごしていた。
ある日のことである。集落に複数人の人間がやってきた。彼らの正体は地上界で莫大な富を持つ国レイディアン王国の調査団の連中だ。彼らの目的は新しい資源の発掘の調査でやってきたのである。彼らはそこで暮らす集落の人々を見て驚いた。それはそうだ。背中から翼の生えた人間が生活しているのである。しかもその集落には珍しい鉱石がたくさんあるではないか。彼らはすぐさま国へ連絡した。レイディアン王国の重要人物や軍隊が来るのにそう時間はかからなかった。
軍隊はレヴァナントの人々から集落を奪い取り、ドレイとして捕まってしまった。捕まった人々は王国に連れていかれた。そこで待ち受けていたのは過酷な労働と差別だ。毎日ろくな食事も与えられず、その生体を研究するために人体実験を行われていたり、いやがらせを受けていた。何人も殺された。
月日だけが流れていった。ある夜、レヴァナントの人々は脱走を試みた。もちろんバレないはずがない。逃げる途中で何人が逃げ切れず死んでしまっただろうか。生きて逃げ切った者達は何日も自分たちの居場所を探し回った。そんな日々が何日か過ぎていき彼らにもようやく転機が訪れた。見つけたのである。空に浮かぶ島を。そこには地上界よりも豊かで豊富な資源があった。ここを新たなる故郷にしよう、皆がそう思った。
彼らはそこにある資源をフルに活用し次々と高度な文明を築いていった。
それから何年か経ち、彼らの中の一人がこう言った。
「地上界に復讐しよう」
レヴァナントの誰もが地上界を恨んでいる。
たった一人の言った言葉で戦争は始った。
レヴァナントが勝っては負け、勝っては負け、そうこうしているうちに250年も経ってしまった。
この戦争は250年経った今でも終わる気配さえ見せない。
人が人である限り争いは終わらない。
この戦いに終わりなんてない・・・




