一話
【霊夢】(賽銭箱をガチャガチャ叩きながら、弱々しく)
「賽銭……賽銭ちょうだい……
私、今日も何も食べてないのよ……
妖怪退治したって、誰もお金くれないんだから……
ねえ、魔理沙、少しでいいから入れてよぉ……」
【魔理沙】(淡々と)
「霊夢……お前、まだわかってねえのかよ。
他者にとって使用価値のある商品を生産して交換しなければ、賽銭を得ることはできないぜ。 ただ『貧乏だ』って叫んで箱を叩いてるだけで賽銭が集まるほど新自由資本主義社会は甘くないんだぜ。新自由資本主義異変が発生して以降、幻想郷の労働者はみんな毎日マスタースパークを撃ったり、人形作ったり、新聞書いたり、荷物運んだりして、
他人のために価値を生み出してるんだぜ。
その対価として貨幣を得るんだ。 お前は……生まれながらの巫女の特権で、ただ座ってるだけ。
それで賽銭を要求してる時点で、
もう完全にルンペンブルジョアジーの論理じゃねえか……」
【霊夢】(弱々しく)
「うるさいわね……私は貧乏なんだから仕方ないでしょ!
賽銭! 賽銭! 働けない貧乏巫女に同情してちょうだい!」
【魔理沙】(容赦なく)
「……同情じゃ、資本は回らないぜ。
お前が本当に貧乏なら、
まずは雇用主になけなしの労働力を提供して最低賃金を受け取るところから初めてみろよ......
俺みたいに」
【魔理沙】(優しく)
「……まあいい。とりあえず俺はアァオ運輸のバイト始めたぜ。荷物運んで使用価値生み出して、ちゃんと貨幣を稼ぐんだ。
お前も…少しは働いてみろよ。幻想郷の巫女だって、ただの寄生虫じゃねえだろ?」
【霊夢】(意地を張って)
「…ふん、やってやるわよ」




