end-0:【K】
0話です。必ず読んでください。
小説初心者なので結構ミスをしていたり、変な言葉になっていたりします。お許しください。以上。
気づけば見知らぬ廊下を歩いている。
西洋風の白い廊下。但し何処か懐かしさを感じる。
見た記憶はない、だが来たような感覚は在る。
引き戸が幾つか在るが全て開かない。と言うか"開かないと言うことを知っている"。
ある程度歩いていると、一つの引き戸を見つける。迷いもせず引き戸に手を掛け、開ける。
その場所を目指していたような、待ち望んでいるような感覚。何故だろう、やはり何処か覚えが在る。
戸を開けると、真っ白の部屋に一つだけ本棚が置いてある。1人の男が棚に本を直している。
その男は暗紫の長髪を後ろで結っており、明紫色の着物を纏っている。
此方に気付き、軽く会釈をする。
『…?あ、あー、こんにちは。初めましてですかね。』
挨拶を返す。
『自己紹介しますね。自分は……確かここでは【K】と名乗るようにしているんです。』
性格、声、雰囲気的に見た目が合わないですね。なんて口に出す。
Kは軽く溜息を吐いてから軽く笑い
『初対面なのにそんな言いますか…。じゃあ3秒程目を瞑ってください。』
Kの言葉に従い少し俯き目を瞑る。いいですよ、と聞こえてから顔を上げるとそこには、色はそのままの、袖の長いパーカーに変わっているKが居た。
魔法みたいですね、こんな一瞬で変わるなんて。夢でも見ているのかなと呟くとKはけらけら笑いながら答える。
『"魔法みたい"ですか、ありがとうございます。』
数秒沈黙が生まれる。Kがあぁ、と呟き
『そうでした。この図書館に来る方は全員、話を聞きに来られる方でした。』
話を聞きに?でも気づいたら廊下に居たから自分の意思では無い気がするけれど。
話を聞きに来た覚えはない、というか開いているドアはここしかなかった。ここだけと知っていた。
無意識に何を言ってんだこいつと言う顔でもしてたのか、Kは笑いながら言う。
『あー、いや、大丈夫ですよ。此処に来る方達は全員同じことを言うんです。《気づけば白い廊下に居た》と。』
自分1人ではない。此処へ何回も来た人もいるし、一回だけ来てもう現れなくなった人もいるらしい。
『さて、話の続きをしますね。えーっと…』
Kは本棚から一冊の本を取り出す。
『どういうのが好みですか?ホラー、ミステリー、恋愛、普通の日常…まあ、色々ありますよ。』
ふと右を見てみると、1つの本棚以外何も無かった筈のスペースに椅子と机がある。
Kは普通かのように椅子に座り、向かい側の椅子を指し、
『座って下さい。立ったままじゃ疲れるでしょうから。』
ありがとうございます、と言って椅子に座る。動作を確認したKは本を開いてこう言う。
『それじゃあ1つ、話をしましょう。』
貴方(視点):気づけばこの世界に迷い込んでいた人間。
K:この図書館の管理人になる筈だった《お話係》。基本敬語。時偶、ヲタクのように早口で喋り始める事がある。気をつけて。
指を指せばその場から本棚を出したり、服を自由に瞬時に変えるなど、この部屋ではなんでも出来る。