あなた
独り踏み出す
その心細さに涙が滲む
前を向いたらもうあなたはいない
けれど後ろを向いてもあなたの影しかいない
ただその声で名前を呼んで
ただその腕で強く抱きしめられたかった
あなたがいないこの先に
進みたくなんかない
影しかない過去でも
あなたの残り香を求める
ただあなたの声が聴きたい
ただその腕の温もりを感じたい
その声で名前を呼んで
その腕で強く抱いて
心の奥は分からなくても
その瞬間だけでいい
その瞳に私を映して
私の最期の記憶はあなただけがいい