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第12話 大口叩きつつ 胃は小さめ

 あの後、俺達は街の飯屋へ来た。

 店の手配はカフカが既にしてくれていたみたいだ。


 俺とレイスとカフカの三人だけの少し寂しい歓迎会だが、誰かと食事するなんて久しぶりで、なんだかワクワクしてくる。


 しかし、そんな楽しい気分とは裏腹にやはりあのキャルメルという子は気になってしまう。燃えるような赤い髪をツインテールにしていて、少しつり目な翠と紫のオッドアイ。


 あんな美少女にあそこまでの拒絶を受けるとなかなか心にダメージを負ってしまう。


 なにがそんなに気に入らないのか……そもそも何故あんなに嫌がっているメンバーが居るのに、レイスは俺を加入させる事に何も感じなかったのだろうか?


 考えても答えは出ない……とりあえずレイスに聞いてみよう


「あのさ……「お待たせいたしました。こちら、前菜のシーザーサラダ 5人前になります」あっ……ありがとうございます」


 ……タイミングを間違えてしまった。

 いや、それよりも聞き捨てならない事があった。

「5人前?」「ギクッ」

 どうやら、カフカが何か知っている様だ。

 ここの予約もカフカがしてくれたらしいし、何か訳を知っているのだろう。


「いや、もともとは5人で来る予定だったから、5人分のコース料理を頼んでたんだけど………今聞いてみたらキャンセル出来ないらしくて…………つまり……今からコース料理全部5人前来ちゃいます」

 カフカは事情を申し無さそうに打ち明ける。


「そ、そんなの、カフカちゃんは悪くないさ!ドタキャンしたり、無断欠席したあの子達が良くないんだよ!ね、シルト君?」

「あ、ああ、そうだ! それにコース料理の五人前ぐらい、俺がペロリと平らげてやるよ!」

「それだと僕らの分が無くなっちゃうじゃん!もう、食いしん坊なんだから!」


「ふふっ…二人ともありがとうね………」

 カフカは安心した様に微笑み、こちらを見つめてくる。


 …………大丈夫だよな?コース料理ってそんな量ないよな?


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