第1話 なんて日だ
俺の名はシルト・クルト絶賛絶望中の16歳だ。
冒険者として村から王都へと来て約5年、それなりに楽しく不自由なく過ごして居たのだが、最近巷で噂のゴシップが俺の心の中を懐かしさと哀愁で漂わせる様なものだった。
『勇者パーティは勇者を囲うハーレム状態である』
実際に酒場で飲んだくれ共が話していたのは、もっと下品で憶測混じりの話だったが、重要なのはこの部分で間違いない。
同じ村で育った幼なじみの少女カフカが、世界を守る為に発足された『勇者パーティ』に招集されたのは7年も昔の事だ。
小さな農村での産まれでありながら、その聖魔法の才能を見初められた稀代の天才、そして俺の初恋の相手。
彼女が村を去った後、初めは俺も勇者パーティに入るんだ!と、意気込み冒険者として名を挙げようと修行を重ねて来た。
次第に日々を忙しなく生きてるうちに、彼女への思いも消えたものだとばかりに思っていた。
しかし、いざこんな噂を聞くと胸が苦しくなってしまう。
強くて、優しくて、いつもそばに居る勇者といい仲になるなんて普通の話だ。
しかし、こうやって一人ヤケ酒を飲む事しか出来ない自分が惨めでならない、消えてしまいたい。
全て忘れたくて普段飲まない酒をたらふく飲んだ。
それが間違いだった。
「おええぇぇ.....はぁはぁ.........うっ、おええぇぇぇぇ」
ヤバい飲み過ぎた....気持ち悪い.........。
眠すぎる、気を失いそうだ...でも こんなとこで酔いつぶれるのはまずい.........。
そんな事を思いながら、俺は意識を手放した…………。
初めまして、鎖国と申します。
お読み頂きありがとうございます。
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