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白雪姫 其の九
継母の王妃が真実の鏡という代物を手に入れたと知った白雪姫は、ある日王妃がいないのを見計らって、こっそりとその鏡を使ってみました。
「真実の鏡よ。世界で一番美しいのは誰」
すると、鏡はこう答えました。
「そりゃ、王妃様だよ」
バキッ。
「あにすんだよぉ~」
白雪姫に殴られた鏡は、情けない声を出しました。
そのまま鏡の魔力は失われ、真実の鏡はただの鏡になってしまいました。
「どうしてあんなババァが一番美しいなんて言われるんだ」
怒った白雪姫は、王妃の部屋へやって来ました。
「どうしたの、白雪姫。そんなに怖い顔で」
「うるさいっ。お前みたいなのが、どうして王妃になれるんだ。どうせ色目を使って国王をたぶらかしたんだろう。お前が新しい母親だなんて、絶対に認めないからなっ」
反抗期真っ直中の白雪姫は、王妃にそんな言葉をぶつけて部屋を出て行きました。
その後、白雪姫が王妃を母と認めるまで、数十年というとても長い時間がかかったのでした。
めでたしめでたし。





