表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/57

靴屋の小人

 靴屋さんはとっても貧乏で、一足分の材料を買うだけで精一杯でした。

「靴を作るのは明日にして、今日はもう寝よ」

 作業場に靴の材料を置いて、靴屋さんは休みました。


 夜中になって、どこからともなく小人が数名現われました。

「これが靴を作る革だな」

「一足分だけだね」

「こんな貧乏になるまで、ここの主人は何やってたんだよ」

「私達で靴を作ってあげよう」

「とってもステキな靴にしてあげましょ」

 小人達は靴を作ってあげることにしました。

「えーと、まずここをこうして……」

「で、これをくっつけるんだよね」

「あんまりいい材料じゃねーな、これ」

「私は赤い靴がいいと思います」

「でも、これって男の人の靴ですよ」

 わいわい騒ぎながら、小人達は靴を作ってゆきました。

「よーし、できたな。へへ、いい感じ」

 小人達は満足して帰って行きました。


 朝になり、靴屋さんが起きてきて、できあがっている靴を見てびっくりしました。

「な、何、これっ」

 そこには、左右の寸法もデザインもバラバラの靴が置かれてありました。

「誰……こんなことしたの……」

 もう新しく靴を作る材料はなく、買うお金もありません。

 靴のない靴屋では商売が成り立たないので、靴屋さんは廃業しました。

 めでたしめでたし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ