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シンデレラ 其の四
継母と義姉がお城の舞踏会へ行ってしまい、シンデレラは淋しく留守番をしていました。
そこへ魔法使いが現われました。
「大丈夫。ぼくが行けるようにしてあげるからね」
そう言って、魔法使いはシンデレラに向かって魔法の杖を振りました。
すると、シンデレラの汚かった服は、柔道着に変わりました。
「あの……魔法使いさん? これはドレスじゃないと思うけど」
「え? やだなぁ。ドレスなんか着てたら、動けないよ」
不思議がるシンデレラを魔法使いが連れて行ったのは、格闘技大会の会場でした。
「魔法使いさん、ここは……」
「うん、武道会だよ。きみなら優勝間違いなし。がんばってね」
魔法使いに励まされ、シンデレラは試合にエントリーしました。
並居る強豪を次々に倒し、ついにシンデレラは優勝しました。
何か違うんだけど……ま、いっか。
優勝賞金をもらったので、シンデレラは細かいことにこだわるのはやめました。
その後、優勝の噂を聞き付けた人達が集まり、シンデレラは道場を開くことができたのでした。
めでたしめでたし。