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I☆NA☆KA

田舎ってすげぇな・・・。本当になにもない。普通、街というのは忙しなくアンドロイドやらロボットが動き回っているのだ。だから急速に人類が数を減らした今では街の各所で残骸が転がっているのだ。前いた街にはかなりたくさんの残骸が転がっていた。だがこの街にはなにも転がっていない。機械と呼べるのは自動販売機ぐらいではなかろうか。だが空気がおいしい。つい最近まで空気になどなにも感じていなかった。せいぜい埃っぽいなと思う程度なのだが、この町の空気はおいしいのだ。人だらけの世界でしか生きてこなかったのでなにも感じたことなどなかったのだが、人がいないとここまで空気とは美味しくなるらしい。なんだか今までの人生を損した気分だ。いやでもなにもないし、失うものが多すぎるな。すぐそばに動物園があるらしい。さすがに動物がいるとは思えないが行ってみることにした。


 動物園だ・・・。仮想の動物園なら幾度となくいったことがあるが本物の動物園など初めて見た。まず驚いたのは大量の檻。いったいどれだけあるのか見当もつかない、というかこんなちゃちな檻で動物を閉じ込めることが出来るのが驚きだ。いや、本物の動物など以前見た鹿やたまに飛んでいる名前もわからない鳥程度しか見たことがないのだが。大きな岩山や水が張ってあったであろう段差のあるところを眺めながらなんとなく何がいたのかを想像してみる。岩山・・・、岩場で暮らす動物、ハゲタカとか?でも鳥を天井もない場所で飼うのだろうか。

考えながら歩いていると洞窟を見つける。よく見るとトンネル?この中にもなにかいるのだろうか。夜行性の動物とか?夜行性というとフクロウとかアイアイぐらいしか知らないが。中に入ってみるが当然のごとくすべて空だ。動物どころか死体の一つも見つからない。結局なにも見つけられてなかった。何がいたのかもわからん、残念だ。まぁあっちもこっちも荒廃し放題の世界だし、あちこち回っていればそのうち見かけることもあるだろう。


 もうここは出ていくかな。あんまり滞在して、愛着が湧いても困るし。古い文化は十分に堪能したし、それにいいものも見つけたし。


というか本当に人に会わない。街に一人ぐらいはいるのかと思ったが、ここまで行った街のいずれでも見つからない。世界に自分しか生存してないってことはさすがにないだろうし、いずれに誰かに会えると良いけど。流石の僕でもちょっと寂しくなってきた。ちょっとだけだけど。

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