3-1. 心構え
こちらが2,000円の衝撃。
【物語】悪役令嬢と十三霊の神々 【絵】カゴ様
このクオリティのイラストを2,000円で販売されては、他のイラストレーター様が仕事にならないやつです。
イラストレーターの皆様はご安心を。
同じ絵師様に、同じクオリティのイラストを2,000円でとお願いしても、そんな仕事、受けて下さるわけがありません。
アマチュアの相場としては、
(1)1キャラ3,000円×2
(2)Web小説の読み込み手数料 (絵師様によって全然違う)
(3)背景と文字入れ3,000円
トータルでざっと10,000円はみておくのが無難です。
いったい、冴條はどうやって、これほどのクオリティの扉絵を2,000円でゲットしてしまったのでしょうか。
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順不同で解説させて頂きますが、まずは、3番の『背景と文字入れ』です。
自分で追加しました。
実際に納品して頂いたのはキャラデザで、こちらになります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/153000069/672476567/episode/4101057
※ こちらのエッセイは参考画像が大量に入るため、こまかいものはアルファポリス様の記事よりご確認ください。
ここで重要な注意事項があります。
【重要】依頼する際に、二次加工の許可を取っておきましょう。
二次加工NG、著作権も譲らないという絵師様も多く、1枚1,000円の依頼で著作権買取としている私の有償依頼は、客観的に見て、大変にあつかましい内容です。
ご応募があるのが不思議なレベルです。
そこのカラクリは順を追って説明していきますが、二次加工を考えている依頼人の皆様は、まずは、上記の重要な注意事項を覚えて下さい。
許可を取らずに無断で二次加工してはいけません。
まずは、これで3,000円、節約できました。
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さて、本題です。
3番を節約しても、まだまだ、相場なら7,000円前後の有償依頼になります。
それが、どうして2,000円?
【豆知識】実績ゼロの絵師様は、最初のお客様にだけは、タダ同然で描いて下さることがある。
絵師様だって、実績が欲しい。
自分の絵に価値を認めて欲しい。
義理の知人ではなく、見知らぬ他人に買って欲しい。
だからと言って、値切るのはマナー違反ですよ?
こちらから声をかける時には相手の言い値を支払いますが、安い有償依頼にも、意外と、ご応募を頂けるのはこういう理由なんですね。
ご応募はピンキリ、玉石混合。
文庫1冊読んで、キャラデザ描いて1,000円では、さすがにあまりご応募を頂けませんが、ファンアートは時間をかけて募集したいので、あえて、抑えています。
ここで、実績ゼロの絵師様についての注意点。
闇鍋です。
読みもせずに読んだと言い張り、ラクガキを寄越すような人からのご応募もあり得ます。
サンプルとして飾られている絵を、本当に当人が描いているのかもわかりません。
実績のある人なら、『評判と信用』という財産を背負って受注しているため、いい加減な仕事はまずしないはずですが、実績ゼロの人には失うものがありません。
このため、詐欺みたいな、いい加減な仕事もあり得ます。
実績ゼロの絵師様に頼むのは宝くじみたいなもの。
素晴らしいクオリティのイラストをタダ同然で描いてもらえるラッキーの可能性がある一方、ゴミ同然のイラストを納品されるリスクもあり、そこで文句を言ったらトラブルに発展することも。
結局のところ、1,000円の依頼には平均すれば1,000円相当の応募がくる、それが市場原理というものなのです。
あえて闇鍋のスリルとサスペンスを楽しみたいのでない限り、
有償依頼に慣れないうちは、相場での取引を心掛けるのがよいでしょう。
さても、私が1,000円の依頼でこれほどのクオリティの納品を頂けたのには、もう一つ、理由があります。
単発の依頼ではなく、『サンプル・リクエスト』だったということです。
組んだ予算は10万円。
5万円のお仕事を2名の絵師様に任せる予定でした。
実績ゼロの絵師様に、いきなり5万円のお仕事は任せられません。
1,000円の有償依頼は、あくまで5万円のお仕事の予選だったため、
1,000円でも、クオリティの高い絵師様からのご応募を頂けたのです。
クオリティにこだわらないなら、1,000円で表紙をつけられます。
1,000円で描いて下さる絵師様は、アマチュアなら探せばいます。
だけど、私は商業出版よりもクオリティの高い表紙が欲しいのだ。
1,000円の安い表紙なんてつけるくらいなら、自分で描くのだ。
安い表紙なんてつけない冴條の、自己満足の世界への挑戦が、今、始まる――!
でもまぁ、モブリオ君の短編の表紙なんかは1,000円でいいかなって思うんですけれども?(ぁ)