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大きすぎる
恋愛っす。
「これどう見ても大きすぎるだろう?」
「え?だって、大は小を兼ねるっていうでしょう?」
確かに私が買ってきた服は彼には大きかった。
でも、だぼだぼの服が好きだからいいんじゃない?
「……しゃーねーな。ほら!」
そういうと彼はその大きなTシャツを私にかぶせた。
「お前が着るととワンピースみたいで可愛いじゃないか」
「か、可愛い?」
彼がそんなこと言うなんて、今日はあられでも降るんじゃないか。思わず窓から外を見てしまった。
「馬鹿だなあ。いつも思っていたよ。なんか、男の物の服被ってるお前、ちょっと小さくみえて可愛い。いつもより可愛い」
彼が可愛いを連発して、思わず私はその大きなTシャツを脱いでしまった。
「なんでだよ」
「あ、あんたがおかしくなるから!」
「本当、素直じゃねぇな」
彼は苦笑すると私の頭を撫でる。
それがとても気持ちよくて、泣きそうになった。