表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

脂肪の多い肉

ホラーです。

「ええ、またこの肉?めっちゃ脂肪が多いじゃん」


 娘は今日の食卓の豚の角煮を端で持ち上げ、文句をいう。


「今日で最後なんだから、我慢しなさい」


 母親はぶよぶよとした白い塊を箸で突いて、口にいれようとしない娘を叱るのだが、やはり娘は食べようとしなかった。


「じゃあ、赤身のところだけ食べなさい。白いところは母さんが食べるから」

「うん」


 娘は頷いて、赤身の部分を箸で切って口に入れる。


「この肉、ちょっと脂っぽいけど美味しいよね。さすがに毎日だと飽きちゃったけど。お母さん、この肉どこで買ってきたの?」

「買って来た……?買ってなんかないわよ。ほらいつも見ていたじゃない。最近見なくてせいせいするでしょう?」


 娘は母が奇妙な笑みを浮かべるのに恐怖を感じた。

 そしてその視線にも。

 母は父が普段座っていた椅子を見ており、娘は猛烈な吐き気を催し、すべてを吐き出した。


「あーあ。なんてもったいことを。お父さんも泣いているわよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ