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下着


「これ、おふくろからのプレゼントだって」


 実家に戻っていた夫から妻は立派な包装紙に包まれた箱を受け取った。


「高いんじゃないの?」


 包装紙はとても高そうなもので、リボンも何やら高級感を醸し出している。


「うーん。まあ。そうかもな」


 夫はそう言って言葉を濁す。


「開けていい?」

「ここで?部屋で開けろよ」

「なんで?」

「なんでもいいから」


 何やら夫がもじもじと恥ずかしそうだ。

 その様子が気味が悪くて、妻は箱を投げ出したくなった。しかし、贈り物だ。捨てるわけにはいかない。

 急に手元の箱の重さが増したような気持ちになったが、期待混じりの視線を向けられ、妻はプレゼントを持って部屋に向かう。

 リボンを解き、包装紙を丁寧にはがしていく。


「いよいよ……」


 唾を飲み込み、妻は箱を開けた。


「は?」


 そこには真っ赤なブラとパンティが美しい布に包まれて鎮座している。

 妻は他に何かあるのかと、下着を取り出し、中身を検分してみる。

 だが、下着と美しい布以外に何もない。


「……どうだ!驚いたか!」


 ノックもせず夫が意気揚々と部屋に入ってきた。


「いや、うん。驚いたけど。なんで、また下着?」

「なんでも、正月に身に着けると縁起がいいらしいぜ」


 中国ではお正月には赤い下着を身に着ける習慣があるところがある。

 夫の母は中国から来た移民であり、時折こうして妻を驚かせた。


「つけないといけないの?」

「当然だろ?おふくろと一緒に選んだんだぜ?物凄く迷ったんだから」


 夫の一言に、このまま結婚生活を続けていいか、悩む妻であった。



(おしまい)





 

 



これで最後にします。

実話ではございませんよ。

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