第四話 『 宿命のじゃん挙 』
「し、失礼します」
まあ、結果的に私たちは田村の行方を見つけることができなかった。いや、正確には、偵察一行を見つけることができなかった。偵察を出て行った先生たちがいっぺんに突然消えた。元々は全校の人員を動員して見出さなければならないはずであるが、こんな夜分に捜索をすると、かえって訪れる人も道を失ったりするケースもいたりして、ひょっとすると先に村に行ったもしれないと思ったために皆村に来るようになったのだった。
「...」
だが、結果は良くなかった。目撃情報もあり、森の入口の前で見た時には人がいるっていう期待をした。ところでどういうわけか、私たちが村に入ると、そこには人の気配とは感じられなかった。ところでどういうわけか、俺たちが村に入ると、そこには人の気配とは感じられなかった。ただいるのとは村とも言えもない廃墟だけ。それでも私たちは希望ということを逃さないために、村に来て調査をし始めたのだった。
丘の下から見た時は大きさも見当がつかず、何よりも貧民村を連想させるビジュアルに、相乗効果もあって、やや小さく見えた。しかし、実際に見るようになった町自体の大きさはかなり大きい方だった。いや、村というよりはまるで中世時代に西洋式の城を中心にある領地という感じにところだった。実際に中央に古城もあった。
ただ城壁は形を見分けられないほど壊れていて、村にある家また、無惨に壊れただけ。どうなろうと、私たちは各クラスに分かれて、担任の先生たちを筆頭に動かすことにした。
「失礼します....あ..」
俺が属しているクラスの担任の先生...名前はよく覚えていないが、とにかくその男先生は廃墟の建物にドアを開けると中を確認して何回目なのか知ることができないため息をついた。これで8ヵ所ほどを歩き回ったが、少なくとも、俺たちがクラスは何も見つからなかった。いるのとはあちらこちらを自分の席で外れた家具と、あちこち破れてしまいた木の板ほどだった。
「高梨先生」
「西川先生……」
今、名前を知った、高梨が、ぼんやりと廃墟を眺めていた中に西川を筆頭に、残りの全校生徒、全校員たちを連れて現れた。
「何か発見しましたか?」
「いえ…見るとおりです…」
「もうどうしましょう? 田村先生一行も見つけられなかったのに..」
全校員たちは、今の自分たちが直面した絶望的な状況に嘆きながら今後のことを思っていた。今までそれなり理性を維持した教師たちの中でも継続された失敗で冷静さを失ってしまったような人も見えた。それは学生も同じだった。
「私たち今から...どうなるの?」
「噓だろ…」
昼には、それなりの意気揚々とした奴らも今はほとんど唾を飲み込んでいるだけだった。俺を含めて。
皆が動揺していた中に何かを考えてだった西川が一度、大きく拍手をして皆の耳目を集中させた。
「皆さん、夜が遅くなりました。これ以上の捜索は危険だから、ここでは一晩寝て明日もう一度捜索するようにします」
「西川先生、寝るのはいいが、一体どこで…」
「周辺を見ると、意外と寝具がいい状態で保存された建物がたくさんありました。そして中央にある城もかなり多くの人員が眠れるようになっているようですね。 今日はこの村で泊まるようにします」
西川は黙々とまるで何もないというふうに宿舎を決めてしまった。正直、この意見に多少不満を示す者もいたが、ほかに仕方がなかったために西川の意見はそのまま採用された。
この学校は全校生と全校員を含めて250人程度に人員の学校だった。平均的に考えてみると、多くの人員ではないが、この程度の宿舎を全部解決するというのは決して容易なことではないのだ。それでも西川の言葉通り、町のほとんどの建物にベッドは無事だったおかげで、総人員を半分に分け、半分は城で、半分は村で寝ることができた。
問題は、城で眠る人員を決めるのだった。希望人数を調査すると、俺を除いてほとんどみんなが省で寝ておきたがった。
このような状況だ。誰もが一緒にいたほうが安心になるのが当然だ。集まっていたら少しは恐怖も軽減されるであろう。とにかく、希望調査で人員を定めることができないようになった以上、教員たちの厳格な審査を経ることしかなかった。厳格な方法で。
そうだ。 じゃんけんだ。
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「...すまない。 みんな」
元からそうだったのか、でなければこの世界に来てからこのようになったことなのか分からないほど否定的な高梨は重ねて私を含めたクラスの皆に謝罪した。そうだ。 高梨はじゃんけんに弱かった。 それも競争するほど。まさか最初から希望は破裂するとは...
普通なら冷やかしや受けるほどに恥部だが、今はみんなぴりぴりしている。
みんなは高梨の謝罪に冷淡だった。
結局、こんなにうちのクラスを含む、残りの運がない人々は、村にある適当な廃墟で寝ることになった。