第三話 『 決心 』
不覚だった。
どんなに多くの準備をして、何度も繰り返しチェックするとしても不足したのは生じるものだ。
まして、このような非常事態にすべての準備をすることはできなかったのだ。
だから、日が暮れていることを考慮しないとしても仕方がなかったんだ。
「...」
しかし、ミスを認めることには状況は絶望的だった。
周辺には草と木しかなかったスタート地点は、学校というそれなりの要塞があったから、どのくらい安心していられた。
教育のための設備。すなわち、ある程度生活のための衣食住が整ったところであり、すべてが不慣れなこの世界で俺たちに許された安息所。
そんな所を抜けて、ぱっと見ても安全とはかけ離れた村に来ており、しかも年は消えていて、浮いているのは元の世界とそっくりな月だった。
「とりあえず行ってみましょう」
「はい?」
皆が茫然している状況に西川はじっくり考えて口を開いた。
彼女の一言は、短かったが、みんなをびっくりさせた。
あそこに行くの?
間違えれば、腕や足は置いて行かなければならないような所だ。
「西川先生、正気ですか?!」
少し多血質で見える男の先生1人が顔が真っ青になって抗議をした。
しかし、西川は特有の無表情を一貫しながら、
「しかし、今この時間にまた学校に戻ることはとても危ないです」
抗議を一蹴した。
「私たちは今この世界について何も知っていません。 昼に私たちが歩んできたあの森を夜にまた入っても大丈夫かさえも。」
西川の意見は当然だった。
あまりにも理性的な話だ。
ただし、冷静だった。
西川の説明を聞いた周辺の空気は完全に凍りついてしまった。事実上西川の意見は今ここ、この世界はどこも安全性が不確実だという意見だった。俺たちには知識が不足している。あまりにも簡単な事実だが、サバイバル状況で最も先に解決しなければならない課題。 それは知識だ。
自分が直面した状況、場所などの知識は俺たちには必要なことだ。そのためには人と会って知識を得るのが最も早い方法だった。
「しかし、今この時間にまた学校に戻ることはとても危ないです」
「いったんこの世界に住んでいる人たちに助けを要請する方がいいでしょう。 今は田村先生が言った私たちを手伝ってくれようとしている方々に行くのが最も安全だろうです」
西川が言葉を終えると、大きな月の光に照らされてるみんなの表情はそれぞれ違った。覚悟を新たにした顔、冷酷な現実におびえた顔、いまだに現実を直視できずに浮かれている顔。各自自分たちだけの方式で、今この状況に妥協したように見えた。
そう、俺だけ除いて。
俺?
俺は最初から学校でもこのような状況だった。
ここや学校や、いや、どういう場所でも俺には居場所がないから。
先生や学生らが集まってこの状況について騒いでいることを見てみたら、うっかり自分の境遇を思ってしまった。 そんなに少しセンチメンタルな気持ちになっていたところに少し不安そうな女の先生1人が話した。
「…田村先生が……見えないですが…」
…まったく。
早くからこの世界が好きになった。