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プロローグ 『彼らの日常』

考える必要もないと思っていた。

俺は何ひとつ役に立たない人間だと。


不満がないとすれば嘘だろう。

それでもそれなりにうまく生きてきたと思う。

19歳。

平凡な家庭で、平凡な人間で生まれ、平凡に19年を生きてきた。

特に何かに熱中したこともなく、際立って長けていたこともなかった。

...彼女はなかったようだ。 というか, 友達そのものがなかったらしいが。


それでも悪いことだけがあったわけではない。

漫画、ゲーム、ラノベなど楽しむことができるのは多かった。

時間があればいつもそのようなもので、時間を送ってきた。

一つが退屈でしたら、他のもので、それが飽きたらまた他のことを。

そんなふうにずっと生きてきた。


特に幸せではない人生でしたかは知らないけど、平均的に見るなら、不幸な人生では無いと。

そう思った。

だが、それは言い訳だったと思う。

そんなふうに言い訳しながら何もしない自分を合理化させるのではないか。

自らが作り出した失敗から逃げるのではないか。

自分に与えられた仕事を投げ捨てるのではないかと。


自分の人生について反省していたら、鐘の音が聞こえてきた。

鐘の音が聞こえる方向を見ると、そこには教会が見えた。

ちんまりしそうな教会だった。

そしてその中では、子供たちの騒ぐ声が聞こえた。


「…早く来たのか?」


教会の周辺を見回って、周りにある木の陰に適当に腰かけた。

教会をぼんやりと眺めた後、木の葉越しに見える空を見上げた。

いつもと変わりなく太陽は輝いていた。


「今日も空は青いのか…」


長大に広がっている青い空を見ていると、自分も知らないように口でそんな声が出された。


「…」


静かに風に揺れる木の葉。

少しは熱いが、暖かい太陽。

そのすべてはあまりにも暖かくて、俺は不可航跡でだんだん目が閉じた。


「お母…さん、お父さん……」


これ以上は会えない存在たちを呼びながら。



---



暗闇だった。

目の前に開かれたのは、闇だけだった。

闇だけが存在する何もないところだった。

まるで最初からなかったし、これからもないと耳にささやいているように、荒涼としたところだった。


もし、他の人がこの場所に来れば、一番先にどのように行動するか?

やっぱり、歩き回ったり、誰かを大声で呼ぶかどうかもしれない。


しかし、俺は何もできなかった。

ただ怖かった。

この闇が怖い?

勿論それもあった。

しかし,私が本当に恐れていたのはこのところをとても楽だと感じている自分だった。


何もなく、誰もいない場所。

寂しくてただ恐怖だけがいる場所。

それはまるで――


俺がずっと考えて来た俺の墓のようなところだった。

何もない世界。

何もしない世界。

明確に怖いだけの場所だったが、なぜかこの場所は私にはとても親近感を与えた。


ここにずっといたらこれ以上何も考えなくてもいいような気がした。

これ以上何も心配も、悩みも、不安もない世界。

もしかしたらこんな所が安息所ではないかな?

ふと、ずっとこの場所にいたいという気がした。


すると、急に眩しい光が見えた。


「…さん……」


誰だ。

誰か分からないが、私を呼んでいるようだ。

誰か分からないが、ほっといてくれ。


「…さん!」


聞こえる声で怒りが感じられだした。

しかし,なんだか回答したくなかった。

ただじっとしていたかった。

ただじっとしてこの終わりが見えない闇の中で、

静かにいたかった。


「―っ!」


だが、そんな私の些細な希望を声の主人は受け入れてくれなかった。



---


帰り道。

夕焼けが森を染めていた。

すべてが赤い色で美しく染まるこの光景に、本来ならみたいだったら感嘆しただが。

私はまだ残っている苦痛を感じながら空いている左手でおなかを慎重に触っていた。


「あちゃちゃ……ダイブはこれから禁止だ」


「ええ!! なんで?」


激しく抗議する小さな少女。その年代に合わせて全身を使って自分の悔しいというのを表現するジェスチャーが可愛いことはあるが、駄目なものは駄目なのだ。


「ふん! それじゃ肩車で我慢してやる」


握っていた俺の右手を振り切って、前に進めた後、ターンして振り返ってみて俺の娘は特有の赤い目を輝かせながら卑怯だと思うほどかわいいに笑いながら話した。


まあ…肩車は大丈夫かな?

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