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ー香倉の小説ー

【都市伝説 ードッペルゲンガー 】

作者: ユキノシタ

ねぇ、あなたは鏡に自分の姿が映るのを不思議に思ったことはない?



「なんで私は映るんだろう」って。



それはね、ガラスの向こう側には反対になっただけの全く同じ世界が広がっているからなの。



自分と同じに映る人は誰だって??



それは あたし達妖怪。



妖怪あたしたちは悪戯が大好きなの。だから同じように真似っこして遊んでいるのよ。



だけどね、やっぱりここじゃ楽しくない。



隣の芝生は青いって言うでしょ?



あたしも、そっちの世界に行きたいなっていつも思ってるの。



あたしだけじゃないよ? 隣のちび太だって、いつも優しい優子だって、み〜んな思ってるの。



だから、妖怪あたしたちはいつも出る機会を伺ってるわ。



少しでも隙間が出来たなら、妖怪あたしたちは そこから抜け出すの。



でも、妖怪のままじゃばれちゃって楽しくないじゃない?



だから、知っている人間の姿になって街を、近所を歩くの。



そう、いつも映していた あなたの姿に。



いつも見ていたから間違うことはないわ。



鏡の前での独り言とか、仕草とか、全部真似っこしてたんだから。



何年も、何十年も。



だから、誰も あたしが妖怪だとは気がつかないの。










でもね、偶に本物に会っちゃうの。



気をつけているつもりなんだけど、それでもやっぱり会うこともあるのよ。






































そんなとき、妖怪あたしたちはどうすると思う?






































妖怪あたしたちはもちろん、本人を殺すわ。



だって、偽物って分かったら またむこうの世界に戻らなくちゃいけないでしょ?



そんなの嫌だもの。



だから妖怪あたしたちは本人を殺すの。



そして死んで魂となった人間はむこうの世界へと捕まる。



そして今まで 妖怪あたしたちがしてきた真似っこをしなくちゃいけないの。



ふふ、それなりに楽しいんじゃない?




















そして あたしはこっちの世界から鏡を覗くの。



そして笑顔を作って こう言うの。








「割れた鏡を覗いてくれてありがとう。あたしが死ぬまでそこにいてね」








って。



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