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鬼教官が異世界に行ったようです

「これで、どうだ!」


 金髪で青目の少女は

 黒い骸骨にスライディングをした


 黒い骸骨はその場から跳ぶことで避けた


「アンデッドにはこれがお似合いだ

 星の輝明 (スターライトソード)!」


 爆発させた白髪でマッドサイエンティスト風の受付の男は

 両手で溜め込んだ光を解放した

 跳んだ黒い骸骨に、光の剣が伸びる


 黒い骸骨は、片腕で受け止めたが

 その片腕は粉砕した


「今だ。ぶちかませ!」


「はああっ!」


「うりぁっ!」


 ゴロリに答えるように長い黒髪のアケミと

 赤い髪を後ろで束ねるケルルは

 無防備に立っている黒い骸骨に突進した


 黒い骸骨はその場から吹き飛び

 やがて壁に体をめり込ませた


「はぁ、はぁ。やったか」


 肩で息をするゴロリはアケミから降りつつ、黒い骸骨を観察した


「……まだ油断はならん。焔 (フレア)でこぴん!」


 男が中指を丸めて小さな青い炎を弾くと

 炎が真っ直ぐ黒い骸骨に飛び、炸裂した


 炎に包まれた黒い骸骨は気を失ったように項垂れた


「あ、あの人が……そんな馬鹿な」


 仰向けに倒れている巻き角の女性が呟いた

 それを見たアケミは巻き角の女性に近付いていく


「えいっ」


「ぶはっ」


 アケミは屈むと巻き角の女性の頬をぺちんと平手打ちした

 巻き角の女性は、気を失ったように白目を向いた


「……今日はよく寝れそう」


 少女は、立ち上がって服に付いた埃を払いながらいった


「う、うわっ」


「ひぁっ」


「くっ」


 突如として地震がゴロリ達を襲った

 ケルル、アケミ、少女はバランスを崩し、地に伏せた


「どうなっている!」


 ゴロリも、地に伏せながら

 冷や汗をかきながらも立っている男に抗議した


「どうやらコアがやられたらしい

 ……このままでは、本当に崩壊してしまう」


 男は声を小さくさせていた


「そのコアとやらへは近いのか!」


「近いが……?」


「それなら案内してくれ!」


「ゴロリ。本気かね?」


 男はゴロリに顔を向けた


「何度も言わせるな!」


「……わかった。わかったよ。ゴロリ」


 男は大きく息を吸った


「あまねく魔力よ。大いなる父母よ

 わたしの声を聞き、この老いぼれの魔力を持っていけ!

 そして封じられし扉を開きたまえ!」


 男に呼応するように壁が裂け

 めり込んでいた黒い骸骨は地に伏せた


「くっ、魔力が足りんか……!」


 開いたと思った扉は、閉まり始めた

 扉を操作する男は両手を掲げ、脂汗をかく


「頑張って。おじいさん」


「……あ、ああ」


 扉は閉まったかに思われたが

 倒れた少女に応援され、扉を僅かに開かせていた


「あの中か!」


「あ、ああ!」


 ゴロリは地を這い、進んだ

 男も、必死で扉を操作する


「ゴロリさん、待ってください!」


「そうだ。水臭いぜ。おっちゃん!」


「おまえたちは残れ。今回はどうなるかわからん!」


 ゴロリは這って付いてきたアケミとケルルを無視して地を這い続けた


「……良いか、ゴロリよ!

 扉に入ったら、異物を取り除くのだ!」


「わかった!」


 ゴロリの目の前には黒い骸骨が見えた

 完全に機能を停止し、扉に挟まっていた




 扉に入るとゴロリは立ち上がった

 その空間では地震は止まっていた


 目の前には金色にした太陽ような物が存在した

 丁度下の方に、黒いショベルが刺さっていた


(これか)


 ゴロリはショベルに片手を伸ばし、握った


「ぐっ!」


 ゴロリは呻いた

 魔力を吸い上げられていた。それでも、必死に引っ張った


「くそっ」


 ゴロリは抵抗するように

 ショベルを両手で握って引っ張った


(ぐぅ、くそ)


 ゴロリの鼻血が滴った。意識が朦朧とした

 それでも、気力でショベルを握っていた


 その時であった。ゴロリの手に二つの手が重なった


「アケミ、ケルル。どうして!」


 吸い上げる力が弱まることを確認したゴロリは

 二人に叫んだ


「自分が死んでどうするんですか!」


「そ、そうだ

 おっちゃんにこんな死に方されても困る!」


 アケミとケルルはゴロリに叫んだ

 ゴロリは前を見たが、何故か目の前が掠れて見えなかった


「全力だ……全力で引け!」


 ゴロリは二人に叫んだ

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