受けてみるそうです
ゴロリとアケミはケルルの家で鹿肉の燻製をご馳走になった
やがて暗くなると、ゴロリとアケミは広い部屋の奥にある寝室に案内された
その部屋には煎餅布団が一つ敷いてあるだけであったが
ゴロリとアケミ分も、ケルルが一つずつ出してくれた
就寝する時はアケミをゴロリとケルルが挟むようにして寝た
「起きろ。朝だぞ」
ゴロリは寝癖が付いた髪を手で直しながら二人に呼び掛けた
「うーん……あともう少し」
「起きましょう、ケルルさん」
「しょうがないなぁ……」
アケミに体を揺らされてようやくケルルは上体を起こした
「よし、行くぞケルル。案内を頼む」
「んあーい」
ゴロリ達は起床すると直ぐに行動した
ゴロリ達はケルルの案内のもと、ギルドに到着した
「昨日の今日だ。気を引き締めていくぞ」
「おー!」
「はーい!」
ゴロリの号令にケルルは片手の拳を挙げた
アケミもケルルと同じように真似をした
「あっ、じーさん復活してるぜ?」
「思ったより早かったな」
ケルルにいわれてゴロリは
マッドサイエンティスト風の受付の男を確認すると感心した
「おう、ゴロリ。調子はどうだね?」
ゴロリ達は早速、男の受付まで進んだ
すると彼も変わらず挨拶してきた
「昨日の今日で変わる訳ないだろ」
「ハッハ、それもそうだ」
結構変わったがなとゴロリは内心思った
「それにしても、早かったな
……そんなに簡単だったのか?」
「ほう、武勇伝を知りたいと申すか!」
ゴロリが質問をすると、受付の男が得意顔をしていった
これは長いやつだ。ゴロリは覚悟した
「で、また飛竜がスッと来たらパー、シュワーでなっ!」
「へぇーっ!」
受付の男の武勇伝には主にアケミが付き合っていた
「アケミちゃんってスゴいと思った」
ケルルが小学生並の感想をいったが
ゴロリには妙に的を射て聞こえた
そのくらい二人の会話には付いていけなかった
「しっかし、この年寄りが活躍してもと周りが酷くてなぁ
もっと若ければおよそモテモテだったろうに」
「なにいってるんですか。今でも十分男前ですよ!」
受付の男は科学者とか医者にいそうなタイプだと思う
ゴロリは少し思った
「嬉しいことをいってくれるではないか!
それでな、アケミ――」
アケミの相槌があまりにも気持ちが良かったのか
受付の男の武勇伝は日が陰るくらいまで続いた
「んで、君達はなにか用はなかったのかね?」
長話したあと、なに食わぬ顔で受付の男は話を戻した
「……そうだな、薬草でも取りに行こうか」
ゴロリは少し疲れを感じていた
薬草取りくらいならば出来るだろうと提案する
「3人でかい?」
「まぁな」
ゴロリの言葉に受付の男は微妙な顔をした
薬草を選別する作業は時間がかかるからだろうか
ゴロリは勝手に納得した
「ふーむ、この機会に討伐任務に挑戦する気はないか
最初はゴブリン3匹辺り丁度良いと思うがいかがかね?」
「へぇ、討伐任務か
……ちょっと不安だけど一人じゃないしいいかな」
「わたしは行ってみたいです
いつまでも薬草というわけにはいかないので」
確かにいつまでも薬草という訳にもいかない
ゴロリは目でアケミとケルルを順に見やると、受付の男に頷いた
「……どっか抉んないといけないんだったか?」
「武器の一部か、さもなくば体毛であっても認めることはできる
この場合、報酬は少し減るがな」
「それならそれでいい。わかった」
どこか抉るならば自分がやろうとゴロリは思っていたので
これは朗報であった
「そうそう、最近は竜が増えておるらしい
もし遭遇するようなことがあれば、迷わず逃げることを勧めよう
上空から追いかけてくる都合上、森の茂みに隠れれば凌げる筈だ」
「……なるほどな、覚えておく」
ゴロリは受付の男の話を真剣に聞いた
「ただし、竜も怒ったらただでは済まされん
その時には……まぁ、わかるな?」
ゴロリもそれはいわれなくともわかった
わかったが、それよりもこの男の鋭さの方に驚いた
「それくらいだ。行ってくるがいい」
「おう」
「はいっ」
「わかった」
ゴロリ、アケミ、ケルルは各々で受付の男に返事をすると
ギルドを後にした




