プロローグ『日常』
よっしゃ〜〜〜!!キタキタキタ!!やったぜ、ついに、ついに揃ったんだ!俺が強く、いや!俺達が強くなるときが!
俺は木村漣児キムラ・レンジ。
ただいまゲーム中である。名は【ETERNAL FRONTIER ONLINE】!キャッチコピーは【自由にプレイして世界を遊び尽くせ!】だ。
様々な種族、生物、都市、職業がありスキルもカスタマイズできるゲームだ。
俺は主にゴーレムに関係があるスキルを持ってプレイしている。
先ほど俺が喜んでいたのはそのゴーレムの素材をついに手に入れたからだ。
【ついに、ついについに!!俺の職業の真骨頂!長かった・・・ここに到着するのに苦労した】
俺はとある重大なミスをしてしまった。下調べもせずにスキルを取得したらダンジョンの中にしか素材がない、つまりゴーレムはスタート直後使えないのだ。始めたばかりの俺は町で誰かくれる人もいない、つまり素材を手に入れる方法はダンジョンに自力で入るしかなかったのだ。そして俺はゴーレムを使えない雑魚以下なキャラになってしまっていたのだ!!
ゴーレムがすぐ使えないという事実に気づいた俺はその時は思考が固まってしまった・・・フフフ、だが今となっては関係ない!!今こそ俺は最強になるのだ!!
俺は自分のホームタウンに戻りセーブをして広めの場所に移動した。
【さぁ作るぞ〜!!】
俺はスキル発動のトリガーを押そうとして・・・
・・・気づいたら現実の自分の部屋にいた。なぜだ!?俺は何があっても良いようにタウンの外に出ていたはず・・・。
「・・・ねぇレンジ?」
後ろから殺気が!!その事に気づき声がした方を向くと母が後ろにいて、目が笑ってない笑顔で俺を見下ろしていた・・・
俺の頭に拳骨が落ちる!!《ゴス!》
「いてぇ!いきなりなにするんだ!頭悪くなるし、へこんじまうよ!!」
タイミング悪すぎるよ。せっかく初めてのゴーレムを作り無双しようと思ったのに!
「これ以上バカにはならないから大丈夫だよ、それよりレンジ。今日はバイトの面接じゃなかったかい?母さんの記憶違いかしら?ねぇ答えてちょうだいレンジ、怒らないから、ね・・・?」
・・・マミィ、すいません。マジで忘れてました。
怒らないと言って怒られた朝の出来事である。