第8話『物を守る者』
地図をみながら進んでいる俺達、道中モンスターに遭遇することなくしばらくしてナナムのテント近くの通路に無事に戻ってくることができた。
「なんでかさっぱりモンスターいませんね?レンジさん」
「さぁ?なんでだろうね、楽でいいけどさ。」
「(まぁ私がほとんど殺したからいるはずが無いんだけどね)」
「あっ!!」
「どうしたのナナムちゃん」
「凄いですレンジさん!テント近くまで戻ってきてます!!本当に道がわかっていたんですね!」
「え、なんでわかるの?」
「テント近くの道には私たちの種族にしかわからない目印をつけておいたので解るんです!行きましょう!!」
…タッタッタッ
「あ、おい!待ってくれよ!!」
…タッタッタッ
「待ってください!!・・・血の臭いがする・・・人の複数いる臭いもする・・・生きてるのは、1人?でも周りの臭いがキツくて正しくわからない・・・いったい何が起こったの?なんで今の今まで気づかなかったの私!?」
「ああ・・・これは認識阻害系の結界と何か使ってるわね。結界の中に入ったからわかるようになったね、結界を張った奴は中にいるわよ、一応気をつけなさい」
「お、おう。血の臭い?そんな臭いなんか」
「血の臭いがするんです、嫌な予感がします。レンジさんはここで待ってて」
「いや、いくよ、足手まといかもだけど1人より2人だし、最悪ホワイトもいるしね」
「・・・わかりました、気をつけて行きましょう」
「了解」
俺達はテントに近づいていった
―テント近くに到着
「俺でもわかるくらいのひどい臭いだね・・・」
「はい・・・私が先を見てきますね、レンジさんはここにいてください」
「あ、ちょ」
「安易に危険を感じた場所には近づかないほうがいいぜ、お二人さん」
「「!」」
「おっと、警戒しないでくれよ、二人とも!なんもしねぇよ俺は!」
「ふざけるな!いつの間に後ろについた!?」「な、ナナムちゃん?」
口調が変わっているよ!ナナムちゃん!?
「あなたは怪しすぎる!なぜ私のテントの近くにいる!この人数を貴方が殺したのか!?」「ああ!俺がやったんだ!あんたらの荷物を守ってやっただけだ!!信じてくれ!あいつらは荷物を盗もうとして俺も殺そうとしたからやむなしなんだ!この惨状は正当防衛なんだよ!」
「嘘を言うな!!なぜ私たちの荷物だと思った!彼らの荷物とは思わなかったのか!?お前は荷物を独占したいがためにやったんじゃないのか!?」
「違う!神に誓ってな!!嬢ちゃんの荷物だったのは偶然嬢ちゃんがテント建ててるのみたからだ!そのあと離れたのもな!」
「・・・本当ですか?」
「ああ、本当だ」
「わかりました、失礼しました!疑ってしまってごめんなさい!!」
「いや、良いってことよ。そりゃこんな血だらけのオッサンじゃあ疑うな、って言う方が無理だな。さ、嬢ちゃんとそこの旦那、ここは居心地が悪い。まぁ悪くした俺が言うのもなんだけどよ!テント片付けて場所を移動しようぜ。俺も手伝うからよ。俺はカムロって言うんだ、よろしくな!」
「レンジです!よろしくカムロさん、荷物ありがとうございます!」
「ナナムです、私からも荷物を守っていただきありがとうございます」
「良いってことよ!ささっと移動しようぜ、あんたら取りにくると思って待ってたんだけどよ、もう限界に近いんだ、鼻がいたくてしかたねぇや、あと嬢ちゃん、これ持っとけ、武器、折れてるだろ?」
「え、なんで解るんですか?」
「俺には相手のステータスが見えるんだよ、スライムがいるのも見えてるぜ(笑)」
「「へぇ〜凄いですな(ね)」」
「お前ら軽くねぇか?このスキルかなりレアなんだがな、もう少しこう、驚けよ・・・」
「レンジさんも見えてますし・・・珍しく無いんじゃないですかね?私もわからなくなってきました」
「いや、珍しいなんてもんじゃないわよ、何者なのかしらこいつ」
「そうなのか悪魔」
「そうなのよ」




