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prologue
「ねぇ、お母さん。『優しい執事』のお話聴かせて!」
一つの屋根の下、一人の少女が布団の中から顔だけを出して少女の母親であろう女性におねだりをする。
その少女の顔はまるで王子様が来るのを楽しみにしながら待っているお姫様のように輝いていた。
「また『優しい執事』のお話?好きね。」
「うん!だってカッコいいもん!!」
少女の母親が呆れた声を出すも、少女は気にせず元気に返事を返す。
そんな少女の様子に少女の母親も微笑ましく笑う。そね空間は幸せそのものだった。
「仕方がないわねぇ。じゃ、話すわよ?」
--昔、ある国で二人の双子の男女が生まれました。--
--その双子は妹にはヒナノ。兄にはレンゲと名付けられました。--
--今から話される物語りはそんな双子の物語りです。--