第7話:ライバル店の襲来
「ぴょんぴょんぴょ~ん! ぴょんぴょんうさぎメイドカフェへようこそ!」
ミクとリラは、今日も元気いっぱいにご主人様たちを出迎えていた。リラの歌声と、ミクの明るい接客で、お店は相変わらず大盛況だった。
そんなある日、見慣れないメイドがお店の前に立っているのが見えた。彼女はぴょんぴょんうさぎのメイド服ではなく、黒と白のシックなメイド服を着ていた。
「あの人、もしかして…」
ミクが訝しげに見ていると、そのメイドがゆっくりと店に入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
ミクが声をかけると、彼女はクールな表情で、
「偵察に来ました」
と答えた。
「て、偵察!?」
ミクは目を丸くした。
「私は『にゃんにゃんぱらだいす』のメイド、サヤカです。あなたたちの店の歌姫が、最近秋葉原で話題になっているそうですね」
サヤカはそう言って、リラをじっと見つめた。リラは戸惑いながらも、サヤカを見つめ返す。
「あなた、素晴らしい歌声をお持ちですね。その歌声、うちで活かしてみませんか? 報酬は…もちろん、今よりずっと良い条件で」
サヤカはリラに名刺を差し出した。リラはサヤカの言葉に戸惑いながらも、すぐに首を横に振った。
「すまないが、私はこの店を辞めるつもりはない」
「なぜですか? あなたの歌声は、こんな狭い店で終わるべきではない。もっと大きな舞台で輝くべきです」
サヤカはそう言って、リラの肩に手を置いた。
「…私は、ミクや、この店の皆と一緒に、ここでメイドとして働きたい」
リラはサヤカの目をまっすぐ見て、きっぱりと言った。サヤカはリラの答えに少し驚いたようだったが、すぐに表情を元に戻した。
「そうですか。残念です。ですが、覚えておきなさい。秋葉原のメイド界は、いつだって戦場です。いつか、あなたとこの店を、打ち負かしてみせます」
そう言い残して、サヤカは颯爽と店を出ていった。
「うわぁ…なんか、すごい威圧感でしたね…」
ミクはへなへなと座り込んだ。リラはミクの隣に座り、優しく頭を撫でた。
「大丈夫か、ミク」
「はい! 大丈夫です! それにしても、リラさん、すごいですね! きっぱりと断るなんて!」
ミクはリラを見上げて言った。
「…私には、ここが居場所だから」
リラはそう言って微笑んだ。
その日を境に、『にゃんにゃんぱらだいす』との間に、静かな火花が散り始めた。
『にゃんにゃんぱらだいす』は、リラの歌に対抗して、イケメンメイドを投入したり、最新のVR技術を使ったライブを始めたりと、様々な戦略を仕掛けてきた。
「むむ…すごいぞ、あっちの店…」
店長がライバル店のチラシを手に、唸り声をあげている。
リラは、そんなライバル店の動きを見て、あることを思いついた。
「ミク、アオイ、ユウ、みんな。私に力を貸してほしい」
リラは皆に、自分の歌声の力を最大限に活かすための、ある作戦を提案した。
それは、歌と、ダンスと、そして…メイドたちの魅力を最大限に引き出す、新しいメイドカフェの形だった。
「リラさん、すごい! 確かに、これならいけます!」
ミクはリラの提案に目を輝かせた。
アオイとユウも、リラの熱意に感化され、協力を申し出た。
「面白そうじゃん! やろうぜ、リラ!」
「リラの歌と、私たちの魅力で、ライバル店に勝ってやろうじゃないの!」
ぴょんぴょんうさぎメイドカフェは、ライバル店との戦いに向けて、一致団結した。
だが、この戦いの裏側で、リラの歌声が持つ、もう一つの秘密が明らかになろうとしていた。
そして、その秘密は、彼女の故郷とも深く関わっていたのだ。
あかちゃんなのでわからないけど、☆☆☆☆☆を★★★★★にすると、よろこぶみたい。