第6話:故郷への想い
「わぁ…なんだこれ、でかいお風呂だなぁ!」
ミクは目をキラキラさせて、リラを近所の銭湯に連れてきた。
リラは、初めて見る日本の銭湯に目を丸くしている。
「これほどの湯船を、たった二人で使うのか?」
「いやいや、リラさん! 他にもたくさんのお客さんがいますから!」
ミクはリラの服を脱がせながら説明する。
リラは戸惑いながらも、ミクに言われるがままに服を脱いでいく。
故郷では、湯浴みはもっと厳かな儀式だった。裸で他の人間と湯に浸かるなんて、考えられなかった。
しかし、ミクは当たり前のようにリラの体を洗い始めた。
「わっ! ミク、何を…!?」
「え、体を洗ってるんですよ? リラさん、髪の毛も長いですから、シャンプーつけますね!」
ミクは楽しそうにリラの髪を洗い始めた。
リラはミクの優しさに触れ、少しずつ緊張がほぐれていく。
そして、二人は湯船に浸かった。
「はぁ…いい湯だぁ…」
ミクは目を閉じ、気持ちよさそうに呟いた。
リラは、湯船に浸かりながら、故郷の湯を思い出していた。
故郷の湯は、もっと冷たく、そして薬草の香りがした。
「リラさん、なんか元気ないですね…やっぱり、故郷のこと、まだ引きずってますか…?」
ミラはリラの表情を見て、心配そうに尋ねた。
リラは、静かに首を振った。
「故郷は…私の居場所ではなかった…」
「そんなこと、ないですよ!」
ミクはリラの言葉を遮り、まっすぐにリラを見つめた。
「リラさんには、故郷を想う気持ちがあります。それが、リラさんの心を強くするんです!」
ミクの言葉に、リラの瞳が潤む。
その夜、ミクはリラを連れて、スーパーに寄った。
そして、リラが故郷の味だと言っていた「オムライス」の材料を買い込む。
「ミク…オムライスを作るのか?」
「はい! リラさんが、いつでも故郷を思い出せるように、最高のオムライス、作りますから!」
ミクは笑顔でリラに言った。
リラは、ミクの優しさに、胸がいっぱいになった。
次の日、ミクは一日中キッチンにこもっていた。
何度も失敗し、焦げ付いたオムライスが山のように積み重なっていく。
「くぅ…難しい…!」
しかし、ミクは諦めなかった。
リラのために、故郷の味を再現してあげたかったのだ。
夕方になり、ミクはついに、完璧なオムライスを完成させた。
ケチャップで、故郷のエルフの里の風景を描き、リラの前に差し出した。
「さあ、どうぞ!」
リラはオムライスをじっと見つめ、一口食べた。
その瞬間、リラの瞳から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「う、うぅ…故郷の味だ…」
リラは泣きながら、ミクに抱きついた。
「ミク…ありがとう…本当にありがとう…!」
ミクはリラの背中を優しくさすった。
リラは、ミクの優しさに触れ、故郷を追われた傷が少しずつ癒えていくのを感じていた。
「リラさん…リラさんには、歌の力があります。その歌声で、故郷の人たちに、希望を与えてあげてください」
ミクはリラに言った。
リラは、ミクの言葉に、決意を新たにした。
「私は…私の歌声で、人々に希望を与える。それが、今の私の、勇者としての使命だ」
リラはミクに微笑みかけた。
二人の友情は、さらに深まり、リラは故郷を想う気持ちを、歌声に込めることを決意した。
それは、彼女の歌声が、さらに多くの人々の心を動かす、新たな力となることを意味していた。
だが、その歌声の力は、新たな運命の歯車を動かし始めるのだった。
あかちゃんなのでわからないけど、☆☆☆☆☆を★★★★★にすると、よろこぶみたい。