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【書籍1,2巻発売中】戦闘力ゼロの商人 ~元勇者パーティーの荷物持ちは地道に大商人の夢を追う~  作者: 3人目のどっぺる
第5章 キルケットオークション編(後編)〜キルケットの錬金術師編〜
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06 コドリス焼きの超進化②

コドリスの香草焼きは、翌日以降も売れ続けた。


翌日は一旦メンバーチェンジを試してみた。

バージェスとロロイに遺物商店の方の店番をまかせ、俺とクラリスでコドリス焼きを売ることにしたのだ。


開店前にひたすら焼き続けた分を、俺の倉庫に収納しておき、来たお客にガンガン売っていくスタイルだ。


ストックが切れたら『30分後に再開』などと立て札をして一旦店を休みにして、再びストックを溜め込んだ。


そんな感じで緩急つけながら営業したおかげで、2日目はクラリスの疲労はそこまでキツくなさそうだった。


反対に、遺物売りを任せたバージェスは暇すぎて死にそうだった。


「忙しいって…ありがたいことだったんだな」


扱う商材がかなり違うので、それは致し方ないことだ。


ちなみにだが、俺はめちゃめちゃきつかった。


遺物&薬草商店の方でも、高額な遺物を求める客が来たら、結局俺が行って対応しなくてはならない。


その傍でコドリス焼き商店の方は、焼き上がり次第倉庫に収納していく必要があったし、客がくれば倉庫から出さなくてはならない。


ロロイは…、遺物以外の商材を売る気は無いようだったので、倉庫を使ってコドリス焼きの出し入れするのは俺がやるしか無い。


そんな感じで、今日は俺がヘトヘトだった。



→→→→→



3日目以降は、かなりスムーズになってきた。

若干客の足が落ち着いてきたということもあるが、メンバーたちが小慣れてきたというの大きい。


今日はバージェスがひたすらコドリス焼きを作る役で、クラリスが売り子。

なんだかんだで、このスタイルが1番しっくりきた。


そして俺は、基本的には遺物売りの方に集中しているが。クラリス達からヘルプの要請がきたら、そっちにいって手伝うというスタイルにした。


遺物商店の方の客には、最悪少し待ってもらうことにしていた。


この感じで、なんとなくだが俺たちの商隊の体制が整ってきたのだった。


淡白なコドリスの味に慣れきっていたキルケットの住人たちは、コドリスの超進化形態(ロロイ談)を目の当たりにして。なかなかに良い反応をしてくれていた。


この町では、コドリスは塩焼きか、潰して捏ねてから鍋に入れて煮込んで食べるのが一般的だ。


貴族たちは、遠く中央大陸から取り寄せた珍味とかも食べているようだが。一般庶民は食事にあまり興味がなくいつも同じものを食べるのが普通になっていたようだ。


だが今は。

食べ慣れた(飽きた)コドリスの新たなる食べ方を提案され、その味に熱狂してくれている。


アルカナが数日間、薬草調合室に篭もりきりになって作り上げてくれたこの薬草粉末。

コドリス肉に合うように調合されたその粉末の出来栄えが素晴らしいということが、今回の大成功の何よりのポイントだった。


俺の倉庫を介して、アルカナにコドリス肉を送って。日夜、香り付けと味付けの研究に励んでもらった。


「もう香草焼きはたくさんです」


とか言い出すと思って、すまない気持ちでいっぱいでいたら…


実際は香りを作り出すのが楽しくて仕方なかったらしく…すでに第二弾の作成に着手しているとのことだ。


我が妻ながら、凄まじく頼りになる女性ひとだ。


そして俺たちは、その日も店じまいをして帰途に着いた。


腰のマナ袋が重い。


このままでは何かと不便なので。早めに容量の大きい封霊石へとマナを乗せ替えなくてはならない。


盗賊団どころか、周りの商人たちからも妬まれて狙われるんじゃないかってくらいに。俺たちは勢いよくマナを稼いでいた。


だが、「キューピッド・バージェス」や「怪物護衛のロロイ」といった、そこそこ名の知れた面子が俺の周りについてくれているおかげで、今のところそんな素振りは全くなかった。


護衛隊を増やしておいて大正解、ということなんだろう。

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