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【書籍1,2巻発売中】戦闘力ゼロの商人 ~元勇者パーティーの荷物持ちは地道に大商人の夢を追う~  作者: 3人目のどっぺる
第5章 キルケットオークション編(後編)〜キルケットの錬金術師編〜
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02 意外と小さなその変化

ところで、ヤック村に行く前後での俺たちの日常の変化についてだけど…


1番の大きな変化といえば。

やはりバージェスに女であることを打ち明けたクラリスが男装をやめたことだ。


俺には元々クラリスが女の子だという認識があって、そうとしか見えなくなっていたので…

それはそこまで気にするようなことでもなかった。



キルケットに戻ったその日のうちに、クラリスはバージェスを引き連れてガンドラの店に行き、女剣士用の装備を一通り買い揃えてきた。


ちなみに、俺とロロイが鑑定済み遺物を受け取っている横で、それが行われていた。


女剣士用の装備をまとったクラリスは。もう、誰がどこからどう見ても「女剣士」だ。

まぁ、まだ16歳なので「少女剣士」という方が正確かもしれないけど。


どの鎧が良いとか、どの兜が良いとか。

そんな話をしながら色々と試着して、バージェスに見せている。


女剣士用の武具は。男女兼用や男剣士用のものに比べると、比較的装飾などにこだわった品が多い。中には「魅力度アップ」みたいなスキルがついたようなものも、目玉商品として売られていたりした。

その分値段もバカ高かったりするのだが。試着する分にはただなので、クラリスは色々と試しているようだった。


そんなクラリスに、バージェスはタジタジだ。


もはや結婚秒読みかと思われたのだが…

クラリスはクラリスで、妙なところで恥ずかしがって決め手を放てないでいるようだった。


ちなみに2人は、キルケットのお屋敷に戻ってからも寝る部屋を分けたようだった。


例によって『間違いが起こると良くないから』だそうだが…

それでいて、毎日のように2人でクエストに出かけていくので、表面上は相変わらず仲良さげに見える。


とりあえず2人とももう大人なので、あとは2人で勝手にすればいいと思う。


変化と言えるような変化は、そのくらいだった。



→→→→→



そして俺の遺物売りは『第二段階』とも言える段階に入っていた。


荷馬車広場におけるエルフのお客の一件以来、俺たちの噂は西大陸中に広まっているようだった。


ただ単に「遺跡を攻略した」というのと、実際に「有用スキル付きの遺物の売買がなされた」というのとでは、どうやら冒険者たちに与えるインパクトがかなり違うようだ。


西大陸の北の外れの漁師の村「ポッポ村」や、南の外れの町「サウスミリア」などから、噂を聞きつけた冒険者たちが次々とキルケットにやってきていた。


そして、ヤック村から帰った俺が再び遺物店を開くのを、今か今かと待ち構えていたようだ。


ポッポ村の漁師でもある屈強な冒険者、ゴルゴとバリスの夫妻は…


「防御強化に関するスキルが付いた武具はないか?」


と言って。


『磨かれたウルマの小手(闘気防御強化)』を購入していった。


販売金額は18万マナだ。


『闘気防御強化』の付与スキルは、鉄壁などの、闘気による身体強度強化スキルの性能をUPさせることができる。


ロロイに装備させようかと迷っていたのだが。

この類のスキル強化のスキルは、スキルが強化される分消耗も激しくなるので、元々のスキルのスタミナがないロロイとは絶望的に相性が悪いはずだ。


そう思い直して、そのまま夫妻に売ってしまった。


他にも自称『史上最高のイケメン冒険者』のシルクレットというスカした男が来て。


『アストラモの指輪』というスキルのない遺物4つを「3人の美しい妻への贈り物に…」と言いながら買って行った。


合わせて16万マナだ。


4つめは自分でつけるのかと思いきや。


「まだ見ぬ4人目の妻のためのものさ」


ということらしい。


相場の2倍近くまでふっかけてみたが…マナに余裕があるようで、満足げに買っていったから問題ないだろう。


そんな感じで、初めから高額な遺物を買う気満々の冒険者が集まってきていて。俺の遺物売りはかなりの実績を上げていた。


「ほぉぉぉーーーい!!!! もう遺物ロマンが止まらないのですぅぅーー!」


ロロイもやっぱり大興奮だ。

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