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26話 しずくと焼きそば

「お嬢様、本日のお夜食をお持ちしました」

「ん……その服、なに?」


 しずくはいつものメイド服ではなく、謎の青いジャケット? のようなものを着ている。


「今日は夏祭りですからね〜。そして私は今日、お仕事はお休みなんですよ!」

「……休みでも来てくれたんだ」

「もちろん!」


 それは嬉しいけど、19歳としてどうなんだろう。もっとこう……ショッピングやカフェとかに出かけているイメージがあったんだけど。


「というわけで、今日のお夜食はお祭りで買ったこれです!」


 しずくが机に置いたのは透明なプラスチック容器に入った茶色の麺。端には紅い細切りの何かが添えられている。


「しずく、これは?」

「こちらは焼きそば! 屋台では定番中の定番です!」

「焼き、そば……」


 焼くの? お蕎麦を? ……不思議。

 それにこの麺、どう見てもお蕎麦には見えない。蕎麦粉100%を謳うお蕎麦しか食べたことがないから、他にも種類があるのかな。


「さぁ、温かいうちにいただきましょう。温度大事です!」

「……いただきます」


 理屈はわからないけど、とりあえず食べてみよう。

 透明なプラスチック容器を開けると、中から香ばしい匂いが解放された。具材は……お肉とキャベツ。

 割り箸で麺を持つと、お蕎麦とは思えないほどにもちもちしているような気がする。あくまで経験則だけど。


 あむっと口に運んでみると、予想通り麺はもちもちしていた。そしてこの茶色い秘密は……ソース。かなり濃い味で、ガツンとくる味だ。


「……美味しい」

「そうなんですよ! 屋台の焼きそばってなぜか特別美味しいんですよね〜」


 ついつい我を忘れて、ぺろりと食べてしまった。しずくみたいに太ってしまうかも……太りにくい体質だけど。


「お嬢様、今何か失礼なことをお考えに……」

「してない」


 ……ふぅ、乙女心を傷つけないのは大変な仕事だ。

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