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23話 お嬢様とカップラーメン

「お嬢様、本日のお夜食を……熱っ!」

「……大丈夫?」


 お嬢様に心配をかけてしまいましたね。さすがに熱々のカップを素手でずっと持っているのは無謀でしたか。

 というわけで早速のネタバラシになってしまいますね。そう、今日はカップラーメンです。優しい醤油が売りの、アレです!


「美味しそう……だけどこれは何? この前食べた家系ラーメンとは違ったものに見える」

「そうですね。あれとは脂や具材が異なりますがこれはこれであっさりしていて美味しいですよ。……私みたいな19歳の胃を壊すようなこともしてこないので」


 ハハハ……と自嘲気味に笑うとお嬢様はすこぶる反応しづらそうな顔を見せられた。困らせてしまいましたね。反省反省。


「さ、冷めないうちにいただきましょう。カップラーメンは熱々が命ですよ!」

「ん。いただきます」


 ズルズルっと、なんと表現するべきか迷いますが、頼りない、べやべやの麺を啜らせていただく。

 縮れているからこそ醤油ベースのスープを絡みとり、纏わせてお口に入ってくる。つまり……


「熱っ!!」

「……しずく、学ばない」


 見ればお嬢様はしっかりとふーふーされていらっしゃる。そのふーふー、私の耳にしてくれないでしょうかという言葉はなんとか喉の奥に引っ込めることができた。偉いです!


「美味しい」

「良かったです♪」


 口の中を火傷した私とは違い、お嬢様はスマートにカップラーメンを食べてみせられた。まったくどちらが食べ慣れている方なのか……。

 それにしてもお嬢様はお店のラーメンだけでなくカップラーメンでも美味しいと思われるのですね。

 本当に、立派に育たれましたね、お嬢様。

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