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19話 お嬢様と焼き鳥

「お嬢様、本日のお夜食をお持ちしました」

「ん……ねぇしずく……」

「はい、どうされました?」

「いや……なんでもない」


 ? 不思議なお嬢様ですね。何か気になることでもあったのでしょうか。

 とりあえず何でもないとのことなので、今日お持ちしたものをお嬢様の前に提出した。


「今日のお夜食は焼き鳥です!」

「焼き鳥……はじめて」


 ふふ、繊細なお食事しか提供されないお嬢様に、キッチンカーで売られている焼き鳥が出されるはずがないですよね。

 今日買ってきたのは皮のタレ2本、モモ塩2本、豚バラ塩2本です。私の中の黄金の組み合わせですね。


「いただきます」

「はい♪ いただきます」


 まずは皮から。ぷりぷりの食感からあふれる脂は暴力! タレの甘辛さも相まって口を幸せで包んでくれます。飲んだことはありませんがビールちょうだいと言いたくなりますね〜。

 次にモモ。塩でまとまったキリッとした味わい。しっかりとした肉感には満足度が高いです!

 最後に豚バラ。これでもかってくらい濃い塩コショウの味は少し辛いですが、豚本来の甘さと混ざり合って最強の一本です!


「美味しい」

「はい! 美味しいですよね!」


 お嬢様は多くを語らず一心不乱に焼き鳥にかぶりついていられる。その愛らしい姿を見ていると幸せでなんだか体が大きくなるようです。


「ねぇしずく、やっぱり黙っているのは良くないと思ったからいうけど……」


 お嬢様は何やら言いにくそうな顔で俯いている。そんな顔されては私まで悲しくなってしまいます!


「何でも言ってください! 私は受け止めますので!」

「うん。わかった。しずく……太った?」

「…………へ?」


 思わぬ剣が飛んできて、私の心臓を刺した。

 明日は……運動公園にお嬢様を連れていきましょうか。はい、そうしましょう。鬼コーチがいた方が捗るというものです。

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