深淵を覗くもの
活動報告にもあげましたが運営よりR18通告を受け、本作の修正指示が出されました。
困ったことに「複数」と言う指摘箇所がどこなのかが具体的に特定できず、またどの程度の修正が必要なのかも素人判断故に判断に困り、結果的にバックアップを取った上で全文削除という方向に決定いたしました。
そして運営の警告メールの内容を当前書きに転載したところ『規約違反ではないが消さないと削除する』旨を通達され、これも修正しました。
運営側からブロックされるよりはまし、との作者判断です。
ブクマされていた方、評価をくださっていた方には大変申し訳ありませんが以上の理由を持ちまして本作はバックアップの修正が済むまで凍結させていただくことになります。
短い間でしたがご愛読ありがとうございました。
なお、ささやかながら短編を一つ置き土産に置いておきます。
「■■■!■■■■■■■■■!!」
ジジジジ……
ブツン
システムに介入あり。
管理者権限00000000121号により解除…………ブロックされました。
上位管理者によって該当世界へのアクセスは凍結されました。
特例0000000361号…………却下されました。
特例0000000043号…………却下されました。
該当世界への干渉に対し、全観測者へ閲覧禁止の通達が発行されました。
O.R.A.C.L.E-System Ver1.032 は当通達により観測者への警告を行います。
O.R.A.C.L.E-System Ver.99999への以降の干渉、ならびに観測行為は……
「う~~ん、残念無念!
良いところだったのになぁ」
美しい黒絹の髪の少女がマウスパットを放り投げて椅子の背もたれにグイっと寄りかかる。
そのまま「ん~~~~」と背伸びをして身体をほぐしている様は少々婆臭い。
その視線はノイズまみれで何も映さなくなったパソコンの画面に憎々し気に突き刺さっている。
「あねさま、また例の『男』を覗き見していたのですか?
珍しくあねさまが加護を与えた人間、気になるのは分かりますがあまり覗き見していては……」
少女に声をかけたのは少し大人びた雰囲気の、やはり美しい黒髪をサイドテールに結わえた幼女だった。
こちらの少女は座布団に姿勢良く座り、湯飲みでお茶を啜っていた。
今時ペットボトルの茶ではなく、きちんと淹れたお茶だ。
パソコンの前に座る少女とうり二つの面差しは二人の間に血縁関係を強く感じさせる。
「うん、やっぱりあの世界への監視はきっついねぇ!
たかだか数か月しかあたしのバックドアがもたなかったよ。
こりゃ暫くは小泉君の様子を見るのは無理っぽいね~」
「あねさま、あの世界はただでさえ様々な世界から追放された輩が蠢く魔窟。
下手に除けばそこからこちらへ干渉してくるものがいないとも限りませぬ。
如何にあねさまがこの国最強の神とはいえ……」
「ツクヨミ」
「……はい」
「おねーちゃんは退屈なの!
刺激が欲しいのよ!
つーちゃんが『彼』の代わりに玩具になってくれるのかしら~?」
「ひっ!!」
少女の目には深い闇が揺蕩っていた。
笑顔には狂気が、言葉には毒が、視線には嗜虐心が籠り、ツクヨミと呼ばれた少女を蝕もうと迫る。
少女たちは神である。
人に望まれ、人の都合で如何様にも歪められる存在。
永き時を、ただこの世界に尽くす為に生み出されたモノ。
彼女たちは常に退屈している。
彼女たちは常に怒り、惑い、苦しみ、それを自覚できずにいる。
神という絶対存在故に。
故に時折気まぐれを起こす。
気まぐれに人に力を授け、力に振り回され破滅する様を見てあざ笑う。
『団子』という力をただの親切で授けた?
馬鹿らしい。
真実は神のみぞ知る。