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(旧)マル才  作者: 青年とおっさんの間
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顔出し中は好きにやらせていただく 24

「こいつら後から後から湧いて来て!?」

「莉奈! そっちに2体いった!!」


「わかってるわよ、もうッ!!」



私たちチーム4は、倒しても倒しても何処からともなく出現するunknownに足止めされ、旧市街地から離脱しきれずにいた。


間近に迫る死の恐怖に耐えられなくなった仲間が隊列を離れ、逃げようとするが、待ち構えていたようにunknownに捕縛され、無残に食い荒らされていく。



「嬢ちゃん! このままじゃ持たねえ!! 」



ロックが空になった武器をパージしながら分かりきったことを言ってくるけど、私だって一杯一杯なんだから!!


目の前に迫る2体のunknownにヴァーチェカスタムの砲撃を浴びせようとトリガーを引くが…



「エネルギー切れ!? まずい!!」



急いで機体を後退させようとするが、ヴァーチェカスタムの脚の重さから振り切れず、unknown2体に覆い被さられる瞬間、緑色のビームの斬撃が私に迫っていたunknown2体のコアを正確に切り裂く。



「西野! 無事か!?」

「勇志!? ゆ~し~ぃ~…」



何よ何よ! こういう時だけサッと登場してサッと助けちゃって… めちゃくちゃカッコいいじゃない!!



「数が多いが何とかなるか… 歩美、スナイプモードで援護頼む! 近くの奴は俺が斬るから正確にコアを射撃してくれ!」

「わかったわ!」


「隊長! 俺たちはどうすればいい!?」

「射撃機はエネルギー温存してくれ、格闘機は射撃機の援護を! 」

「了解!!」


「いくぞッ!!」



掛け声と共に物凄い勢いで敵の中に突っ込む勇志だけど、その勢いをころすことなく次々にunknownのコアを正確に切り裂いていく。



「… 凄い」

「すげぇ… すげぇぜ!隊長ッ!!」



勇志の予測できないような動きに合わせて、歩美の正確な射撃がunknownのコアを貫いていく。


2人の絶妙なコンビネーションで繰り出される攻撃で、あっという間にその数を減らすunknown。



「これで終わりッ!!」



最後の1体のコアを歩美のデュナメスヴァルキリーの狙撃が射抜き、仰向けに倒れるように絶命する。



「やったの…?」

「あの野郎やりやがった! マジでやってくれたなッ!!」


「全員… 今直ぐ逃げろ…!」

「え?」



勇志の返事を聞くより早く、黄色い閃光が私に向けられて飛んでくるが、身体が全く反応できない。


しかし、勇志の機体の横をビームが通り過ぎる瞬間にビームサイズを振り下ろされ、射撃を切り裂き打ち消された。



「早く行けッ!! 足手纏いだ!!」



勇志が今までにない程の迫力で命令するが、勇志の機体の奥には1体でも手も足も出なかったunknownの中ボスが3体、こちらに向かってビームを乱射しながら物凄い勢いで突っ込んできている姿が見えた。


脳裏にunknownにバラバラにされたの2人の機体の映像が蘇る。


私もあの2人みたいにバラバラにされて喰われるんだ… 次は私が… unknownに…!



「西野!! 避けろッ!!」

「あ… あ… 」



ビームの光が私の機体を貫こうとした瞬間、勇志の機体が割り込み左腕でビームを受け止め軌道は変えられたが、容赦なく貫かれた左腕は耐えられず爆発する。



「2人とも早く逃げて!!」



歩美がunknownにビーム射撃を打ち込むが、どれも簡単に避けられてしまう。


3体のうちの1体のunknownがこちらに迫り、右掌からビームスピアを出現させ振りかぶる。



「西野、歩美、ごめん… 2人だけは助けたかった… 」



勇志の機体が私の機体に覆いかぶさるようにunknownと私の間に入る。



「いやだ…. 勇志ぃいいい!!」



unknownの槍が勇志の機体に突き刺さる瞬間、空中から雨のような射撃がunknownに向かって降り注ぎ、unknownの身体に穴を開けた。


遅れて空を猛スピードで切り抜ける7機の機体、飛行形態を兼ね備えた可変型の機体が隊列を組んで空を舞っていた。



「た… 助かったの…?」

「遅れてすまない、危機一髪だったな入月青年」



オープンチャンネルから聞こえてきたのは聞き覚えのあるミスターサムライの声だった。



「ミスターサムライ!?」

「ここは私たちが引き受ける。君たちは補給エリアまで撤退してくれ!」


「莉奈、勇志を連れて早く!」

「わかったわ!」

「悪いな西野、もうエネルギー切れとダメージが大きくて大破寸前なんだ」



ヴァーチェカスタムで勇志の機体を抱えるようにして後退する。中ボスのunknownはミスターサムライたちが引きつけてくれているから今の内に補給エリアまで戻らないと…



「ルナブレイブス隊、スタンドマニューバと共に散開! 弔い合戦だ!… 全機、フルブラスト!!」

「「「了解!」」」



ミスターサムライの可変機5機からなるチームは中ボスunknown3体を相手に空と地上で連携し攻撃を繰り広げるが、狙いを移したunknownに中々攻撃が当たらない。



「ミスター! こいつらさっきのとは違います!!」

「コアも両手で2つあるようです!」


「この動きはまるで… あの時の… 」



中ボスunknownの1体が掌を空に向かって掲げ、ビームを打ち出す。


正確に空を駆けていた機体に命中させ落下してきたところをビームスピアで一突きにしてしまう。



「隊長ぉぉぉおおッ!!」

「逝くなハワードッ!!」



1機落とされ、その後立て続けに2機、3機と成す術なくunknownに落とされるルナブレイブス隊。



「ダリルとルーカスまで…!!」


「ミスターサムライ! その中型のunknownの動きは… 」

「わかっている!」



オープンチャンネルで勇志がミスターサムライと回線を繋ぎ、何かunknownについて言いかけるが制止されてしまう。



「あの3体の動き… まるで入月青年のような動きをする」


「どういうこと!?」


「恐らく、あの中型のunknownは第一回大会の入月青年の動きをトレースしている。そうだろ?入月青年!」


「俺も最初このunknownとやり合った時に思ったが、まず間違いない」


「そうなればプレイヤーの中でこのunknownに勝てるのは赤星と入月青年くらいかということか… ならば!私のやるべき事は決まったな!! 」


「待て! 早まるなミスター・サムライ!!」



ミスター・サムライとunknownが一対一で戦っている。手数では圧倒的にミスター・サムライの方が多く、優位なように見えるが、unknownはその攻撃をいとも簡単に回避し、両手のスピアで応戦している。



「歩美くん、莉奈くん、入月青年を頼んだぞ。今ここで彼を失うわけにはいかない!」



どういうこと? まさかミスター・サムライは機体の自爆システムを使うつもりなんじゃないでしょうね!?



「ミスター・サムライ、あなたはそれでいいんですか?」

「無論だ、覚悟は決まった!」


「莉奈! 私と2人で最大スピードで勇志を離脱させるわよ!!」

「でも!」


「迷ってる暇はないの、あなたも私も勇志に守られてばかりじゃいられないでしょ!?」


「何言ってんだ2人とも! ミスター・サムライを置いていけない!!」


「30秒だ… それ以上は持たん! ルナブレイブス隊、全機撤退急げ!!」

「何言ってんですか隊長!!」

「私たち、隊長に最後まで付いていきます!」


「お前たち… 承知した! ルナブレイブス隊はポイントアルファにunknownを誘導、以降はお前たちの判断にまかせるが… 敢えて言おう、死ぬなよ!!」

「「「了解!!」」」



歩美のデュナメスヴァルキリーと合流し、勇志の機体を両側から支え、一気にスラスターを全開にして加速し戦線を離脱する。



「駄目だ!! 西野ッ! 歩美! 止まれ!! サムライがッ!!」


「入月青年、必ずやボスを倒し、我々の悲願を果たしてくれ! 君に私たちの想いを託す… さらばだ!!」


「サムラぁぁああイぃぃいいッ!!」



旧市街地を抜け、なんとかエリアを跨ったところで、後ろから物凄い爆音と共に爆風が押し寄せる。


機体が一瞬宙に浮くような感覚で振り返ると旧市街地に4分の1程から火と煙が上がっていた。

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