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会長は僕にだけ刺々しい  作者: たむ


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9/12

9. 文化祭、極秘護衛任務

文化祭が目前に迫り、学校は準備で大きく盛り上がっていた。しかしその裏では、生徒会に新しい問題が持ち込まれていた。文化祭の日に外部の人物が学校へ入り込み、トラブルを起こす可能性があるという情報だ。秘密組織である生徒会は、この問題を表に出さず解決しなければならない。そして蒼は、凛と共に重要な任務を任されることになる。

文化祭の前日。


学校はいつもより騒がしかった。


廊下には飾り付け。

教室では準備。

どこもお祭りみたいな空気だ。


でも生徒会室の空気は違った。


静かだった。


凛はモニターを見ている。


黒瀬が机の上に資料を置いた。


「情報が入った」


僕は顔を上げる。


「何ですか?」


黒瀬は言う。


「文化祭の日に外部の人間が来る」


「外部?」


凛が説明する。


「去年問題を起こした連中」


「文化祭に紛れて侵入する可能性」


僕は驚いた。


「そんなことあるんですか」


凛は冷静だった。


「ある」


そして言う。


「だから任務」


黒瀬は地図を出した。


校内の配置図だ。


「侵入ポイントは三つ」


「正門、裏門、体育館側」


僕は聞く。


「僕は何を?」


凛は即答した。


「護衛」


「誰の?」


凛は少し黙った。


そして言う。


「私」


僕は一瞬固まった。


「え?」


黒瀬が笑う。


「会長は文化祭の中心人物だからね」


確かにそうだ。


生徒会長は挨拶もあるし、行事にも参加する。


つまり目立つ。


凛は腕を組む。


「万が一のため」


「あなたが近くにいなさい」


僕は驚いた。


「僕でいいんですか?」


凛は少し目をそらす。


「……雑用係だから」


黒瀬が小さく笑った。


その翌日。


文化祭当日。


学校は人でいっぱいだった。


他校の生徒。

保護者。

卒業生。


とにかく人が多い。


僕は凛の後ろを歩く。


「すごい人ですね」


「当然」


凛は落ち着いている。


でも僕は緊張していた。


周りに怪しい人がいないか気になる。


そのとき。


女子生徒が声をかけてきた。


「会長!」


凛はすぐ笑顔になる。


「楽しんでください」


完璧な対応だ。


その様子を見ながら僕は思った。


やっぱりこの人すごい。


しばらく歩く。


そのときだった。


僕は気づいた。


少し離れた場所にいる男。


制服じゃない。


しかもこっちを見ている。


「会長」


僕は小さく言う。


凛は歩きながら答える。


「何」


「三時方向」


凛はちらっと見る。


すぐ理解した。


「移動」


僕たちは人混みを抜ける。


男は少し遅れて動いた。


やっぱり追ってきている。


凛が小さく言う。


「確認する」


「蒼」


「はい」


「離れるな」


僕はうなずく。


体育館裏の通路へ入る。


人が少ない。


男も入ってきた。


その瞬間。


凛が振り向いた。


「止まりなさい」


男は驚く。


逃げようとする。


しかし凛はすぐ動いた。


一歩踏み込み、腕を掴む。


完全に動きを止めた。


「ここは学校」


凛の声は冷たい。


「目的は?」


男は焦った顔をしていた。


結局、ただの迷い込んだ他校生だった。


騒ぎにはならなかった。


僕は安心して息を吐く。


「びっくりしました」


凛は腕を離した。


「任務終了」


僕は笑う。


「でも会長」


「何」


「さっき僕を頼りましたよね」


凛は少し黙る。


そして言う。


「任務だから」


でもその声は、少しだけ優しかった。

第9話では文化祭という大きなイベントの中で、生徒会の極秘任務が描かれました。蒼と凛の連携も少しずつ良くなってきています。二人の距離は確実に近づいていますが、まだどちらも素直になれていません。次回は、黒瀬が仕掛けたある「作戦」が二人の関係を大きく動かします。

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