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会長は僕にだけ刺々しい  作者: たむ


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11/12

11. 屋上の最終尋問

文化祭の最中に始まった「偽装恋人作戦」。任務として始まったはずの関係は、蒼と凛の距離を確実に近づけていた。しかし二人ともまだ本当の気持ちを言葉にできないままだった。文化祭の夜、学校が少しずつ静かになっていく中で、凛は蒼を屋上へ呼び出す。そこで二人は、これまで避けてきた本当の気持ちと向き合うことになる。

文化祭の夜。


校庭では後夜祭が始まっていた。


音楽。

笑い声。

拍手。


でも僕は校舎の中にいた。


スマホにメッセージが届いたからだ。


屋上に来なさい。


送信者は凛。


僕は少し不思議に思いながら階段を上がる。


屋上のドアを開ける。


夜風が吹いた。


そこに凛がいた。


フェンスの前に立っている。


月の光が髪を照らしていた。


「来たわね」


振り向く。


僕は近づく。


「どうしました?」


凛は少し黙った。


そして言う。


「任務の確認」


「偽装恋人作戦?」


「そう」


僕はうなずく。


「成功してますよ」


実際、文化祭の間はずっと一緒にいた。


怪しい人物もいなかった。


凛は静かに言った。


「もう終わり」


僕は少し驚いた。


「任務ですからね」


凛はうなずく。


でもその表情は少し違った。


「蒼」


突然名前を呼ばれた。


僕は驚く。


凛が僕を名前で呼ぶのは初めてだった。


「はい」


凛は少し視線をそらす。


「一つ聞く」


「何ですか?」


凛は少し迷った。


そして言った。


「あなた」


「はい」


「任務じゃなくても……」


少し言葉が止まる。


やがて続けた。


「私と一緒にいた?」


僕は一瞬答えられなかった。


そんなこと、考えたことなかった。


でも今なら分かる。


僕は言った。


「いましたよ」


凛は驚いた顔をする。


「任務じゃなくても」


僕は続ける。


「会長といるの、嫌じゃないです」


凛は少し黙った。


そして小さく笑った。


「変な人」


僕は苦笑する。


「よく言われます」


そのときだった。


屋上のドアが開いた。


黒瀬だった。


「やっぱりここか」


僕は驚く。


「副会長?」


黒瀬はニヤニヤしている。


「作戦の最終段階だよ」


凛が睨む。


「黒瀬」


黒瀬は笑う。


「会長、まだ言ってないの?」


「何を」


黒瀬は僕を見る。


「この人ね」


凛を指す。


「ずっと蒼くんのこと気にしてたんだよ」


凛が叫ぶ。


「黒瀬!」


顔が真っ赤だ。


僕は驚いて凛を見る。


凛はしばらく黙っていた。


そして小さく言う。


「……本当」


僕は言葉を失った。


凛は続ける。


「最初から」


「あなたのこと」


その声は震えていた。


夜風が吹く。


僕の心臓はすごく速くなっていた。


そして僕はやっと気づいた。


僕も。


きっと同じだった。

第11話では物語のクライマックスに向けて、ついに凛の本当の気持ちが明かされました。黒瀬の作戦もここで明らかになります。ずっとすれ違っていた二人の関係は、ここから大きく動きます。次回はいよいよ最終話。蒼と凛の物語の結末が描かれます。

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