魔王が大事にしてるモノ
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我輩は魔王。行く行くは地上を制し世界を手に入れる者の一人。そして地上のたみを統べる唯一の者。そんな我輩ではあるが今は何一つ手にしている物は無い。
よって目の前にあるご町内から手に入れてやろうではないかウッハッハッハッハ
「てなわけでご町内の皆さん。まずはあなたの隣人と手を取り合って仲良くする事が大事だと魔王は思うのです」
「そうですねぇ魔王さん。まずは何から始めましょう」
「うむ。まずはとなり三軒両隣への挨拶運動を推進しようではないか」
我輩の副官にして参謀長、そして同居人にして荷物運び係と共に世界を制する初めの一歩。ご町内の制圧への指針を打ち出したのだ。
朝は表に出て道の掃き掃除をしながらランドセル背負った小学生、学生服を着た中学生、そしていそいそと出掛けるサラリーマン等に挨拶を始めた。
当初はシカトされておったが3日目にして幼い小学生から「おはようございます♪」と、笑顔で挨拶を返された時など涙をこらえるのも大変な位嬉しかったものだぞ。
「ご精が出ますなぁ」
そう声をかけてきたのは町内会長さんだ。
「うむ。世界を制する手始めは町内からぞ」
「そんなあなたならお任せできますなぁ」
町内会長の引退に伴い、遂に町内会長が魔王たるこの我輩になったのだ!この後は更に人心を掌握し、遂には市議会議員に選出されてやろうではないか。
ハーッハッハッハッハッハッハーッ!
昨夜書いてる途中で寝てしまいました