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探検家として生きてきた
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その男は探検家として世界中の未踏の地を旅してきた。
あの高山地帯もその極寒の地も。そしてあの洞窟も。
その道には獣道すらない。そんな旅をし続けていた。
もういい加減に男には行くべき探検地が地球上にはなくなってしまった。
ふと空を見上げると墨汁を垂らしたような闇の中に浮かぶ金色の月。男は次の探検をそれに決めた。背中に背負った小さなリュック。足を固める山岳ブーツ。それと勇気を供として男はあの日見上げた金色の月を目指した。
あの手この手で月を目指し、遂に月に辿り着いた。月の空はあの日見たように墨汁を垂らしたような闇。
そんな中男は空を見上げてがっかりしていた。
「なんだよ。空に金色の月が無いじゃないか」
月までどう行ったのかしらね
楽しんでいただけましたでしょうか