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終焉の世界での光

作者: りー

もう終わる世界

それは誰もが知っている事実で決して変えることの出来ない事態なのだ

そんな中僕は思い残したことがある

あの時に貴方と……

そんなことを思いながら

世界が終わった


1年前


「3年4組になりました

齋藤航です

よろしくお願いします」

僕はこのクラスになった

特に何を思うことも無く

高校最後の1年が始まった

楽しもうと思った…世界が終わるともしらないまま


いい加減に過ごして時が過ぎて行った

行事もなんとなく終わって行った


今は文化祭の模擬店の話し合いだ

誰も何も言わない

そんな中隣の薫さんが、話しかけてきた

「ねぇねぇ!航君は何かいい案はない?」

僕はドキッとした

慌てて

「あ……まだ何も思いついてないよ!薫さんは?」

続けて

「私はねー…」

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り響いた

なにも聞こえなかった

チャイムのせいじゃない体が熱く心臓がバクバク言っている

俺はドキドキしてしまっているようだ

俺は薫さんが、好きなのか?

そんな疑問を抱きながら時は過ぎていった


文化祭前日

「ねぇねぇ!航くん!文化祭一緒に回らない?」

突然の誘いだった

また、バクバク言っている

慌てて

「う、うん!僕と回ってくれるなら」

人生で初めての誘いだった

僕は勇気がないって知ってる

でも、せっかく誘ってくれたし

思いを伝える最初で最後のチャンスだと思った



当日

「待たせてごめんね!航くん」

「いやいやこちらこそ待った?」

胸の高鳴りが収まらない

一緒に回って文化祭の、後半が終わりかけた

夕日が沈みかけの教室

「あのさ、薫さん!」

「はい!」

「好きです!ぼ…ぼ…僕と付き合ってください!」

「うーんとね、私も航君の事が好きなんだよね!私でいいなら付き合おうね!」

ヒューバンバン

花火が上がる

文化祭が終わった

僕の心は落ち着かない胸が高鳴っている


付き合って意外と長く続いて卒業まで進んだ

「もう卒業だね」

「うん!寂しいな」

「少しの間離れ離れになるけど、また会おうね」

「うん!会おうね」

そういう話をしてから少したって

この世界が終わるとの報道があった

薫とはまだ、再会できてない

多分もう会えない

崩壊していく世界を前に

会いたいと言う思いがこみあげてくる

会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい

世界が終わる

あーあ、会えずに終わるのかー

もういいや

「航さん!!」

僕の目から世界の光が消えゆく中で

一筋の光が見えた

ああ、僕はこの人をもう一度見るために生きてたんだな

これが、希望の光か

そんなことおもいながら

僕の人生は終わった

最後の光は暖かかった

それを感じられただけで最高の18年だったな

薫さん

生まれ変わったらまた会おう




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