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人形遊びも、ここまでくるとすごいでしょ?  作者: シャチ


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9/18

リラと一緒に作業する

「公爵令嬢に転生してしまったので、メンタル乙女の俺は全力で女の子を楽しみます」がコミカライズ決定いたしました。

皆様の応援のおかげです

 最初の顔合わせからすでに2週間。

 第二王子からの手紙はない。

 なので私は今のうちに作戦を決行することにした。

「本当に、このお嬢様人形(レイラドール)を改造されるんですか?」

「えぇそうよ。次に王城へ行くまでにちょっとだけ肉付きをよくして、顔もぽっちゃりさせるの」

 第二王子の好みはすでに調査済み。

 好きなタイプはスレンダー巨乳で尻も大きく、それでもウェストは細く。

 顔はよければよいほどいい。

 全女性の敵である。

 実は先日の人形にもちょっと仕掛けをしており、今の私よりも胸は盛ったし、尻も増やした。

 10歳の体型じゃなかろうと思ったが、バカ殿下は気にも留めなかったようだ。

 まだ私は成長期の途中。

 最近急に身長が伸びてきており、人形の修正も頻繫に行う必要がある。

 これからしばらくはこの人形が私の身代わりだ。

 現時点での私の最高傑作。

 完全自立モードは、私が普段人形作成以外の所作などをすべて網羅しており、その時によって自動的に動作する。

 ただし、会話はほぼできない。「はい、いいえ」ぐらいは言えるが…

 その代わり、私が近くに居て遠隔で受け答えをしないといけない。

 お茶会を行った場合、その会場内で私本人がいれば、十分会話ができるよう聴覚、視覚、音声をリンクできる。

 つまり、完全な身代わりである。

 私は専属メイドとして付いていけばよい。

 あと2年もすれば、この国の法律により貴族学校へ入学する必要があるが、そこにもこの人形に行ってもらう。

 私はあの学校で学ぶことは既にない。

 すでに卒業資格を持っているが、顔つなぎなどの目的もある為学校には行かなくてはいけない。

 貴族学校は寮制のため、侯爵家の私はメイドを二人連れていける。

 なので、リラには普通に学校で勉強してもらい、私は寮の部屋で休憩時間だけ人形を制御しながらゆっくり研究をするという方針を取るつもりだ。

「あぁお嬢様が不細工になっていく…」

 リラが何とも言えない顔をしている。

「どうしたのリラ。この子のこと好きになった?」

「いいえ?私は本物のレイラ様が一番です」

「あらそう?」

 本来は専属メイドなのだが、メイドとしての仕事をリラはしていない。

 今では私のドール作成のサポートのほうが板についた。

 魔力を持たないので成形や回路設計はしないが、髪を整え、服をリメイクする腕は一品だ。

 特に依頼されるメイド人形や執事人形を作る際、依頼主からお仕着せを支給してもらうが、それの微調整をリラがしてくれている。

 なるべくお仕着せに合わせた体型にするのだが、それだと見栄えが悪いことがある。

 リラはそれを人形の体のラインに合わせて直したり、これが”人形である”と分かるように服に刺繡を入れてくれたりする。

 実はこの辺の作業が苦手な私は、服に合わせるように人形を作ることで完全に逃げていた。

 おかげで、父や母のようなきれいな造形ができなかったのだ。

 最近では父に近づけていると思う。母はすでに抜いた。


 ちなみに、母にドール家の血は入っていないが、父が教え込んだんだそうだ。

 厳密には教えさせられたらしい。

 自分好みのメイドが欲しいという母に魔力成形を教えたんだそうだ。

 制御回路の設計と制御はドール家の者しか使えないので、制御系は父が設計したそうだが、母付きのメイドを見る限りその好みはよくわかる。

 以前リラが「あぁ5年前の母がいます」と遠い目をしていた。

 どうも母は、凛々しい女性が好きなようである。

 私はかわいい子が好き。というかリラが好き。

 今度リラと愛を深めるためにデートでも行こうかしら?


「レイラ様、ドレスは今回人形に合わせて調整するんですよね?」

「えぇそうよ。ただ、ちょっとぴちぴちにしてね。頼んだドレスのサイズが合ってないんじゃないかっていう感じで」

「ちょっと不細工にしたといっても十分お美しいのに、さらにダサくするんですね・・・」

「そうよ、バカ殿下がエスコートしたくなくなる女に徐々にしていかないと」

「ひーん…きれいな人形なのに…」

「王家の依頼と私のためだもの、全力で行くわ」

「王家とどんな約束したんですか…?」

「秘密よ」

 あの密約の内容はリラに話していない。

 話したら逃げそうだし。

「あ、そうだリラ。今度一緒に町に行かない?」

「お買い物ですか?入用でしたら買ってきますが」

「ちがうわよ、リラとお買い物に行きたいの。町で流行りのカフェの予約もとってあるのよ」

「そ、そうですか」

 なんで少し困ってるのよ…そんなに一緒に行くの嫌なのかしら?

「大丈夫よ私も町娘みたいな服装で行くから、それほど目立たないわ」

「いや、お嬢様が普通に出歩くと死ぬほど目立つと思いますよ」

 ちょっと顔を赤くして言わないでほしい。

 私も期待してしまうではないか…

 まぁ私が美少女であることは否定しないが。

「じゃあ来週の月曜日に行きましょうね」

「わかりました。お供いたします」

 ふむ、リラとはもうすこし姉妹以上の関係になりたいわね…

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